研究テーマ

2009年 トーネットチェア

すぐれたものを受け継ぐ

家具、なかでも椅子は、気に入ったら大切に長く使い続けたいものの代表です。そんな愛着に応えるため、無印良品では歴史的に意味を持つ二つの家具をリプロダクトしました。
ひとつはドイツの家具メーカー、トーネット社が1859年につくった曲木の椅子「NO14」。もうひとつはバウハウスの卒業生マルセル・ブロイヤーが1920年代につくった曲パイプの椅子「B32」です。

どちらもその時代における革新的な技術と斬新な素材でつくられ、家具の歴史に転換をもたらした画期的で美しい家具でした。「№14」は、木を曲げるという技術と際立ったフォルムで、今なお「スタンダード・チェア」であり続けています。「B32」はスチールパイプ。強くシンプルで美しい家具の考案は、その後のパイプ家具の道を切り拓きました。

両者とも、もともとは多くの人が手に入れやすい価格で売られていたのですが、その後は少量しかつくられず、嗜好品として高価なものになっていました。すぐれた製品は時代を超えて長く使い続けていきたいものですが、かといって、高価すぎてはなかなか手が出せません。そこで、無印良品で二つの椅子をリプロダクトすることにしました。
トーネット社の熟練した職人技と工場を活用し、このプロジェクトに共感するデザイナーと協力して合理的に設計。生産時の無駄を省き、流通も簡略化。その結果、暮らしの中で誰もが当たり前に使える家具として蘇生することができました。

お客様からは、曲木のチェアは「曲線がきれい」「パリのカフェに座っているようだ」、パイプチェアは「沈み込みが絶妙でついつい座ってしまう」といった声が寄せられています。

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