研究テーマ

1987年 パラシュートクロス ウインドブレーカー

目的に合う素材で。

旅支度は身軽にしたいと、誰もが思います。とはいえ、温度調整のために上着の1枚ぐらいは必要だし、それがまたかさばるし...。このウインドブレーカーも、海外出張のたびにそんな悩みを抱えていたスタッフの、「小さく畳める軽い上着が欲しい」というひとことから生まれました。

実はその少し前から、私たちは、携帯用雨傘の開発に取り組んでいました。「世界一軽い傘をつくろう」と意気込んで素材探しから始めて、たどり着いたのはパラシュート用の生地。なにしろ空で広げるものですから、軽くないはずがありません。軍隊が使っているだけに、引き裂きにも強く丈夫です。雨傘用に見つけたこの素材で、携帯用のウインドブレーカーも作ることにしました。

当然のことですが、パラシュート用の生地は、空気が抜けるように織られています。つまり、ウエアに使えば、通気性がよくムレにくいということ。その利点を生かすため、あえて防水加工はせず、撥水加工にとどめました。旅先や出先での急な雨ぐらいなら、それで充分しのげるからです。素材の持ち味を生かし、日常の用途に的を絞る。その結果、着心地よさと低価格を両立させることができました。

紙管ボックスに始まった「プロのものを普段に活かす」提案は、こうして、衣服の分野にまで広がっていったのです。