研究テーマ

1991年 インド綿手織りクッションカバー

1991年 インド綿手織りクッションカバー

伝統の技術を残す。

無印良品は、創立の当初から、インドに多くを学んできました。そんな中で生まれたのが、この手織りのクッションカバー。インドケララ州カンナノール地方でつくられています。

手織りのインド綿は、16世紀頃から広く世界に知られるようになりました。人気の秘密は、手織りならではのざっくりした風合いと柔らかな肌触り。そして何より、細かいフラットな畝のある織りがもたらすさらりとした肌触りには、暑い夏を賢く過ごすインドの人たちの知恵が込められています。

そんな手織りも、他の伝統織物と同じように、機械化・効率化の波にさらわれて次第に衰退していきつつあります。手織り職人も少なくなり、手織り機械も工場の片隅に追いやられているのが現状。主流は機械織りにとって代わられました。とはいえ、インドの人々は手織りのサリーやドーティー(腰布)を普段から身に着けており、いまも手織りの布が暮らしに溶け込んでいるのです。

無印良品では、この手織りならではの風合いを残したいと考え、産地に入り込み、クッションカバーや座布団カバー、ラグなどの製品に仕上げました。また2013年からは、原料も100%オーガニックコットンに切り替え。生産者が安全な環境の中で安心して綿花栽培を続けられるように、継続した取引に力を入れています。