研究テーマ

1982年 紙管ボックス

1982年 紙管ボックス

産業用を家庭用に。

プロ仕様ときくと料理人の道具やホテルの寝具などを連想しますが、気づかないところにもたくさんのプロ仕様があります。
例えば、お茶屋さんの茶箱、工事現場のヤグラ、業務用の通い函などなど。これらに共通するのは、その目的にかなった素材を使い、実用に徹してつくられていること。永年の使用に耐えられる丈夫さも魅力です。

プロが使っているそんなものたちを、ふだんの暮らしに活かせないだろうか。という思いから、産業用資材を使ったものづくりが始まりました。

まず目に留めたのは、小麦粉や粉洗剤などの運搬に使われる、軽くて丈夫な紙管ボックス。家庭向きのサイズにすれば、アイデア自由の収納ボックスになりそうです。天板をのせれば、テーブルやイスとしても使えます。新しい視点から生まれたこのボックスに、多くの共感が寄せられました。

その後も、プロのものを家庭に活かす提案をこめながら、産業用資材の仲間が増えていきます。事務用通い函に使われる硬質パルプや屋根に使われるトタンで、収納ボックスを。お茶や海苔の缶をアレンジして、大小さまざまのブリキ缶を。工事現場のパイプに使う溶解亜鉛のスチールで、ガーデン用のワイヤーシェルフを。

硬質パルプと溶解亜鉛は、時代に合わせて形を変えながら、現在も店頭に並んでいます。