研究テーマ

2001年 リネンカバー

2001年 リネンカバー

産地に入り込む

紀元前8千年、チグリス・ユーフラテス川で誕生した、人類最古の繊維といわれるリネン。
日本では夏の涼感素材というイメージがありますが、ヨーロッパでは一年を通じて使われています。繊維の中に空気を含むので、自然な温かさがあり、冬でも快適に使えるのです。また繊維が細くソフトな風合いで、使うほどに柔らかさを増していくのも特長。吸水速乾性・抗菌性にもすぐれていて、まさに寝具カバーに最適な天然素材です。

そんなリネンの特性を生かして、無印良品では枕カバーや布団カバー、シーツなどをつくっています。その原料となるのは、フランダース地方(フランス北西部、ベルギー北部)で採れるフラックスという植物の茎。この地方の適度な雨と日光が生育を促し、収穫後の発酵にも最適な条件をつくり出すことから、世界のリネンの7割近くがここで生産されています。無印良品は、この地方の農場から、上質で、ややグレイッシュな生成りのリネンを調達。コーディネイトしやすい自然な色合いのものを選びました。

すぐれた特長を持つリネンですが、問題は、リネンを1回採ると土が痩せてしまうため、連作が難しいこと。私たちが使用するリネンの農場では、持続的に良質なリネンを作り続けるために、連作を避け、定期的に輪作する方法がとられています。毎年毎年、大量生産をすることができないためコストは高くなりますが、言い換えれば、それだけ貴重な天然資源だともいえるでしょう。

無印良品では、そんなリネンをお求めやすい価格と長く使える品質でお届けするため、直接産地に入り込んで原料の調達にあたっています。