研究テーマ

赤ちゃんの泣き声

お店の中や電車の中、バスの中などで、突然、赤ちゃんが泣きだすことがあります。周囲の目を気にするママやパパは、必死になってあやしたり、なだめたりします。それでも赤ちゃんはなかなか泣きやみません。今回は、そんな途方に暮れた状況に置かれているママやパパを思いやる活動に焦点を当ててみました。

泣き声は騒音?

緊急を告げる救急車のサイレンや、目覚まし時計のアラーム音は、人の注意を強く引くために、あえて不快に感じる周波数の音を含んでいるそうです。実は、赤ちゃんの泣き声も同じで、理由はもちろん、そばにいる親の気を引くためです。
赤ちゃんは一人ではご飯も食べられないし、排泄物の処理もできません。言葉を話せれば意志を伝えることもできるでしょうが、それもかないません。ですから、「お腹減ったよ」「おむつが濡れたよ」と気づいてもらうために、アラーム音に似た泣き声を発しているのです。
いつも赤ちゃんのそばにいるママやパパには、泣いている理由が想像できます。だから、泣き声は単なる音ではなく、意味のある言葉として耳に入ってきます。でも、ふだん赤ちゃんと接する機会のない人にとっては、ただの騒音にしか聞こえないかもしれません。サイレンや目覚まし時計と同じように、気に障る音に聞こえてしまうのです。喧噪に満ちた街中ならいざ知らず、ひっそりしたお店や電車・バスの中などでは、ひときわ大きな音として響きわたります。周囲の人から注意されたり、眉をひそめられたりするのではないかと、ママやパパはビクビクしてしまうのです。

泣くのが仕事

でも、赤ちゃんが泣くのは当たり前のこと。その昔は、「赤ちゃんは泣くのが仕事」といって、困り顔のママやパパを励ましたりしたものです。そして、この"言葉"を使って子育て中のママパパを応援しようという企業も出てきました。オリックス生命の「#泣くのが仕事」プロジェクトです。ホームページには「人前でも構わずグズるこどもたち。そんな時、ママパパはとても申し訳なさそう。そんな肩身の狭い思いをしているママパパに元気と勇気を届けるプロジェクトをスタートします」とありました。
応援の仕方は簡単で、「だいじょうぶ! こどもは、泣くのが仕事です。」というメッセージ入りのステッカーやバッジなどを、ホームページからスマホにダウンロード。赤ちゃんが泣いて困っている人を見かけたら、「ほら」といってそのマークを見せてあげるのです。ダウンロードしたデータで、ステッカーやTシャツを作ることも可能とか。いろんな形で子育てママパパを励ますことができるのです。

泣いてもいいよ

もうひとつ、同じ志を持って展開している活動がありました。「ウーマンエキサイト」というウェブサイトが広めている「WEラブ赤ちゃん」プロジェクトです。これはエッセイストの紫原明子さんの呼びかけにより、2016年5月5日の子どもの日に発足したもの。「赤ちゃんを一生懸命あやすママを見ると『泣いてもいいよ!』って思っているのに気持ちをうまく伝えられない…。」そんな想いを可視化するために、「WEラブ赤ちゃん-泣いてもいいよ!-」と書かれたステッカーを作り、広く一般の人に配布しているそうです。
ステッカーと一緒に配られているチラシには、「楽しいことだけでなく、大変なことも多い子育て。でも、ママだけでなく、社会全体が赤ちゃんに"愛"を向けることによって、よりよい環境が生まれるのかもしれない…。そんな願いを込めて」とありました。
この「WEラブ赤ちゃん」プロジェクトは、少しずつ全国に広がっています。たとえば三重県ではウーマンエキサイトと共同で、「泣いてもいいよ!」という言葉を「泣いてもええんやに!」に変えて作成。2017年11月から三重県庁をはじめ、県内で配布しているそうです。また、北海道の旭川の女子高校生たちも、課題研究の授業でこの活動を知り、「旭川でも広めたい!」と一念発起。ウーマンエキサイトの許可を得て、吹き出しの言葉を「泣いてもいいべさ~」という方言に変えて、旭川オリジナル版のポスターを作成し、賛同してくれる商業施設などに貼ってもらっているそうです。

確かに赤ちゃんの泣き声って、慣れない人にとってはうるさく聞こえるかもしれません。特に公共の静かな場所だと、ひときわ目立ってしまいます。でも、考えてみれば、誰もが一度は赤ちゃんだったわけですし、自分も周囲の人に迷惑をかけて育ってきたはずです。

厚生労働省が発表した2017年の人口動態統計によると、国内で生まれた日本人の赤ちゃんは94万1千人で、2年連続で100万人を下まわったそうです。また、11年連続で人口自然減の現象も続いているとか。子どもを安心して生み育てられる社会にするためには、周囲の人の温かい目と協力・支援が必要ではないでしょうか。
公の場所での赤ちゃんの泣き声、あなたはどう思いますか。

※参考サイト:
「#泣くのが仕事」プロジェクト(オリックス生命保険株式会社)
WEラブ赤ちゃんプロジェクト │ 赤ちゃんを温かい目で見守りたい(ウーマンエキサイト)

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