研究テーマ

個室について ─住まいのかたち─

今回は、個室の広さについて考えてみたいと思います。通常の場合、個室は寝る部屋です。では、寝る前の個室で、人はどんなことをしているのでしょう? 以前、無印良品の家「みんなで考える住まいのかたち」で行ったアンケートの結果では、音楽を聞く、読書、ストレッチやヨガ、スキンケアなどなど。いろいろな回答がありましたが、特にゆっくり休むための工夫をされているようでした。

個室(寝室)について考えるとき、その空間でいろいろなことをしようとすると、ある程度の広さがあったほうがよいということになります。小さなテーブルを置いてお茶やお酒を飲むのもいいし、デスクを置いて仕事や読書をする書斎コーナーにという考えもあるでしょう。

一方で、寝るという目的に絞って「寝るためだけの部屋」にするという考え方もあります。下の図面と写真をご覧ください。

ここでは、寝ること以外の機能は、家全体でカバーしています。個室を小さくした分だけ広くなった廊下には、共有のデスクを配置し、壁面は本棚に。家事や仕事、こどもの勉強コーナーなどに利用します。デスクコーナーを使わないときは、引き戸を閉じれば、普通の廊下のように見える設計。廊下というよりは、部屋というように考えました。

家の面積は限られています。すべての部屋にゆとりを持つことは不可能ですから、家の中の機能を一度ばらばらにしてみて、それぞれの機能をもう一度再編集していくという考え方です。寝るところは寝るだけ、その他はみんなで使える収納やデスク、リビングというように、空間の無駄をなくしていきます。こども部屋も、こどもが巣立った後は、すぐに解放できるような可変性のある間取りを考えておくのもいいでしょう。

個室の考え方や広さについて、みなさんはどのように思われますか?
ご意見、ご感想をお聞かせください。

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