研究テーマ

「使うために」しまう。収納の知恵

わたしたちの生活は、ものであふれています。ものの整理や収納についてアンケート調査をしたり、実際にお客さまのお宅にうかがったりしてみると、多くの方が、増え続ける「もの」の整理方法について悩んでいることがわかってきました。

ものを捨てる

整理できない原因は、大きく分けて2つあるようです。
1つは、居住スペースに対してものが多すぎるということ。人それぞれが管理できる「もの」の量には限りがあります。家の中にものが増えれば増えるほど、整理整頓は難しくなるのです。
(以前の、みんなで考える住まいのかたちコラム「ものを捨てる勇気」はこちら)

では、家の中にものを増やさないためには、どうしたらいいのでしょう?
もっとも基本的な解決策は、「ものを捨てる」ということです。
何かを買って家の中に持ち込む場合、それを消費するか、あるいは次の朝、家から同じ数量のものを持ち出すかしないかぎり、ものは確実に増えていきます。本や雑誌、CD、衣類......日常的な買いものをして、家の中に増えたものの分だけ、わたしたちは何かを捨てなければいけないということです。

また、単純に「ものを家の中に持ち込まないようにする」というのも解決策の1つです。
以前の、住まいのかたちアンケート第2期第3回「収納について」結果の持たない工夫編では、いただいたご意見の中に「普段から欲しいものリスト(具体的なデザイン、メーカー等も記入)をつくっておき、セールなどで見つけたら迷わず買えるようにしておく」というものがありました。「買わない」のではなく、本当に欲しいものや必要なものだけを吟味して買う。よく吟味して買ったものほど愛着がわき、大切に使おうとするため、もの持ちがよくなり、結果的にものが増えにくくなるというわけです。

定位置を決める

ものを整理できない原因の2つ目は、ものを置く定位置が決まっていないということです。
「ものを整理する」ということは、使いたい場面ですぐ取り出せるように収納しておくということ。きちんと並べる見た目の整理も大切ですが、使いたいときに無駄な動きをしなくて済むよう、「機能性」を意識して収納することが整理の基本といえます。

たとえば、普段、みなさんが家の中でどう動いているかを考えてみましょう。
まず家の間取り図を用意し、そこに、場面ごとの自分の動きを線で書いてみてください。日課の掃除をする場合、どこから掃除を始めてどのような順番で掃除を進めていくでしょうか?また、洗濯をする場合、洗ったものを干し、乾いたものをしまうまで、どこでどのような動きをするでしょうか?
場面ごとの動きを、線でつないでみましょう。その「動線」上に、その場面ごとに必要なものを配置しておけば、使いたいときにすぐ使えるというわけです。

定位置を決めるには、ラベルを貼るなどして、収納されている場所や収納すべき場所がひと目でわかるようにする工夫も必要です。以前うかがったお宅では、本やシャツを色別にわかりやすく並べていました。

また、収納スペースには常に余裕を持たせておきましょう。
何かを収納しようとするとき、所定の場所に入りきらないため、「仮に」別の場所に置いておくというケースはよくあります。しかし、これが混乱の元。置き場所としてふさわしくない場所でも、一度何かを置いてしまうと、あっという間にさまざまなものが積み上がっていくものです。

「すぐに取り出せること」と「すぐにしまえること」。単純なことですが、この2つを意識しながら収納していけば、ものは自然と整理されていきます。

「使うために収納する」という考え方には、うまく整理するためのヒントがありそうです。「ものの持ち方」には、その人の生き方があらわれているともいえます。適切な量のものを、長くていねいに持ち続けられるよう工夫しながら、同時にいつも整理整頓されている。そんな暮らしをしたいものですね。

みなさんは、どのような収納の工夫をなさっていますか?

研究テーマ
生活雑貨