MUJIキャラバン

中伊豆の沢わさび

2013年03月18日

お寿司やお蕎麦などの日本食に欠かすことのできない「わさび」。

わさびは学名を"Wasabia japonica"と呼ぶように日本原産の香辛料です。
抗菌効果や抗虫作用があり、独特の鼻を突き抜けるような辛みと香りは、
食欲を増進させるのにも役立つといわれています。

もともとわさびは山や渓流に自生しているものですが、
江戸時代に現在の静岡市有東木(うとうぎ)地区で栽培が始まり、
徳川家康がそれを愛好し、門外不出の御法度品にしたと伝えられているそう。

そんなわさびの市場出荷量が日本一を誇る、
中伊豆のわさび農家・飯田哲司さんを訪ねました。

飯田さんはちょうどお父様と一緒に収穫後のわさびの出荷準備中でした。

一本一本包丁の角を使って細かい根などをきれいに取り除きます。

この状態(写真右上)だと、見たことのあるわさびの姿ですが、
わさびがそもそもどのように栽培されているのか気になって、
現場へ連れて行っていただきました。

すると、そこには山間に広がる段々畑の緑の絨毯が!

すぐ横には川が流れていました。

わさびの栽培方法は、大きく分けて2つ。
渓流や湧水で育てる「沢わさび」(水わさび)と、
畑で育てる「畑わさび」(陸わさび)があるそう。

飯田さんが育てる沢わさびの栽培には、日陰の立地で
12~13℃の豊富な水が必要だといいます。

「うちのわさびは湧き水のおかげで、露地栽培なのに一年中採れるんです」

飯田さんのわさび田は、天城山の北側に位置し、温度を一定に保つために、
地盤を深く掘り、大きな石から小さな石の順に敷き詰めて表面に砂利をのせた
「畳石(たたみいし)式」が取られていました。

これは、この地区で開発された栽培方式で、
天城地区と中伊豆地区では一年を通じて、わさびが栽培・収穫されています。

自然の湧き水による栽培のため、肥料や農薬は基本的には使うことができず、
水の管理や防虫、除草の手入れを日々行うんだそう。

そんななか、最近とある問題が起こっているといいます。

「温暖化の影響か、渇水や夏に温度が上がりすぎる問題があるんです。
わさびが自然環境を敏感に受ける、こういう場所で育っていることを
まずみんなに知ってもらいたい」

そう話す飯田さんは、わさびの収穫体験を実施しています。
体験に来た子どもたちは、わさびの収穫にはもちろん、
沢に泳ぐカニやカエルなどにも大興奮するんだとか。
水が綺麗だからこそ、見られる光景です。

「あとは、わさびの本物の味も知ってもらいたいですね」

そういって、収穫したばかりのわさびをその場ですりおろしてくださいました!

わさびは反時計回りに笑いながらするのがおいしくするコツだとか。
その理由は「笑うといい具合に力が抜けるから」と飯田さん。

細胞を細かく摩砕できるサメの皮のおろし器を使った、
すりたてのわさびはというと…
爽やかな風味とともに、ほんのり甘みすら感じる衝撃の旨さでした!

種類が豊富なわさびのうち、飯田さんが栽培するのは、
わさびの最高級品種といわれる「真妻(まづま)」のみ。
他の品種と比べて、色みや辛み、甘みなどのバランスが一定していますが、
栽培期間が他よりも長く、栽培できる場所を選ぶといいます。

一度真妻を食べたら、別のわさびを口にできなくなると話す飯田さんは
最後にこう加えました。

「やっぱり自分がおいしいと思うものを届けたいですから。
真妻が育つ、この自然を大切にしていくことも大事な役割だと考えています」

静岡といえば…

静岡といって思い浮かべるものといえば…

お茶!

緑茶の生産量全国1位として知られる静岡県ですが、
その栽培は13世紀に聖一国師という高僧が宋から種子を持ち帰り、
生まれ故郷の静岡市に蒔いたのが始まりといわれています。

静岡のお茶は、徳川家と縁が深く、
幼少期や晩年を駿河(現在の静岡県中部から東部にかかる地域)で過ごした
家康が好んで飲んだそう。家康は、そのおいしさを満喫するため、
 夏の間は、標高1000mを超える静岡市北部の井川大日峠に、
お茶を保管するための蔵を建てさせたんだとか。

また、現在お茶の最大生産地である、牧之原台地とその周辺地域は、
大政奉還後に徳川慶喜を、駿府(現在の静岡市)まで警護した
300人にのぼる幕臣の精鋭たちによって、開拓された地でした。

静岡県内を車で移動中には、何度も茶畑のある光景を目にしましたが、
そんな静岡県でお邪魔した、無印良品 アピタ静岡でも、
ご紹介いただいた人気商品は、やっぱりお茶!でした。

この春登場したばかりの「アロマティー」です!

6種類の果実の香りに合った茶葉が組み合わせてあるのですが、
なかでもこのお店で特に人気なのが、
アロマティー 白桃&緑茶」だそう♪

飲んでみるまで、その味の想像がつかなかったのですが、
白桃の芳醇な香りが漂うホッとする味でした。

ティーバッグなので、水筒に熱湯と一緒に入れて、
私たちもいつも持ち歩いています。

6種類の香りの中から、みなさんもお気に入りを見つけてみてください☆

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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