連載ブログ 富士山麓通信

おからづくし 

2012年05月02日

仕事で出かけた京都で、おいしいお豆腐屋さんに出会い、珍しい三色のおからをいただきました。白いおからは、どこのお豆腐屋さんでも見かけますが、京都で見たのは、青大豆のおからと赤大豆のおから。赤・白・緑と並ぶと、まさに「春の色」です。レシピも付いていたので、家に帰って早速、トライ。富士山麓の食材も加えて、春のおからメニューをご紹介します。

おからといえば、お惣菜売り場でもよく見かける煮物が定番ですが、今回いただいたレシピには、生のまま使う「おからサラダ」や「酢の物」、そして卵でとじる「おから丼」までありました。
お豆腐屋さんでおからを目にしても、「今日は忙しくて時間がないから、止めておこう」と思うことも、しばしば。でも、生のままで使えるとなると、話は違ってきます。「え、それだけでいいの?」という簡単さで、これから「おから使い」が増えそうです。

おからサラダは、ポテトサラダのポテトの部分をおからに替えた感じ、と言えばいいでしょうか。ポテトサラダより、やや軽い食感です。火を使わずに出来ますし、何より思い付いた時すぐに作れる簡単さが嬉しい。おからの質が良いのか、パサパサ感やモソモソ感はまったくなく、しっとりしたおいしさです。

青大豆のおからサラダ

おからにキュウリの細切りとツナ缶詰をオイルごと加え、マヨネーズで和えて塩・胡椒で味を調えるだけ。ツナ缶の代わりに、ハムの細切りでも良いそうです。

酢の物は、味付けモズクか味付けメカブに、適量のおからを入れて混ぜるだけ。「料理」と呼ぶのもはばかられるような簡単さです。さっぱりした口あたりで、するすると喉を通ります。

酢の物。今回はメカブを使いました。

定番の煮物には、家にある材料を何でも放り込むのが常ですが、今回は庭で摘んだ蕗の薹を加えてみました。それだけで、なんとなく「春の味」になります。

この煮物を油揚げに詰めて焼くと、いつものお惣菜も、ちょっとした「あて」に変身。日本酒によく合います。

そして、こちらは「おから丼」。親子丼の鶏肉の代わりに、おからと天かすを使います。京都の老舗料亭・菊乃井の賄い料理で、テレビでも紹介されたレシピ。菊乃井では、このお豆腐屋さんのおからを使って作るそうです。

おだしに天かすとおからを入れて一煮立ちさせ、ネギを加え、ネギがしんなりしたら、卵でとじます。九条ネギを使うのが京都風ですが、山梨のネギで作りました。

週末のブランチには、赤大豆のおからを入れたホットケーキを焼いてみました。こういうものにおからを入れると、なんとなくボソボソするイメージがあるのですが、予想に反してしっとり、なめらかな口あたり。赤大豆の色がきいて、春らしい仕上がりになりました。

普通のホットケーキを焼く要領で、小麦粉の量を減らした分、おからを加えます。

おからは、お豆腐を作るときの副産物としてできるものですが、最近は需要が少ないため捨てられることも多いと聞きます。そもそも、畑の肉と呼ばれる大豆でできたもの。栄養もたっぷりですから、ぜひ気軽に試してみてください。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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