連載ブログ 富士山麓通信

野鳥と共に

2011年06月01日

森の中で暮らすということは、そこに棲む動物たちと共に暮らすということでもあります。先住権はあくまでも彼らにありますから、人間はその一角に、ちょっとだけお邪魔をさせてもらうという感じでしょうか。

新緑の間を渡ってきた清々しい風を室内に取り入れたくて、お天気のよい日は思い切り窓を開け放ちます。すると、野鳥が飛び込んで来ることも、しばしば。それを飼い犬(豆柴)や飼い猫(縞模様の雑種)が見つけると、「不法侵入!」とばかりに騒ぎ立てます。犬は吠える、猫は追いかけて走り回る。野鳥は野鳥で、慌てて出口を見失ってピーピー、バタバタ。野鳥には申し訳ないのですが、森の中に住んでいればこそ見られる楽しい光景です。

逃げ場を失ってカーテンレールに止まったコガラ

「追いたて屋」の犬猫がいないころは、ヤマガラがゆったり滞在してくれたこともありました。

野鳥が、わが家の郵便ポストに巣作りしようとしているのを発見しました!ポストの底に、苔や小さな枝などが溜まっているのです。そして、その中に、なんと犬の毛も。そういえば、犬のブラッシングで出た抜け毛を入れておいたポリバケツが空っぽになっています。どうやら、その毛をせっせと運び込んだ様子。たしかに、ふわふわであったかい犬の毛は、ベッドの素材としてはよさそうです。その後、家の近くの樹上で、完成品も見つけました。
人間は鳥の羽毛をいただき、鳥は犬毛を巣作りに使う。なんだか、循環型社会の縮図のようですね。この時季、鳥たちが部屋に紛れ込む回数が多いのも、ベッド素材の調達に来ていたのかもしれません。

家の近くで見つけた完成品。不安定な場所なので、ちょっと心配です。

  • 去年わが家の軒下につくられた巣は、いまもそのまま。
  • 巣にされてはさすがに困るので、ポストは粘着テープで塞ぎました。出し入れ不便!
  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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