連載ブログ 富士山麓通信

野イチゴのジャム

2011年08月24日

8月の森を歩くと、草むらのあちこちから鮮やかな赤が目に飛び込んできます。富士山麓に自生する野イチゴの実の色です。こうなったら、もう気もそぞろ。見つけたらいつでも摘めるように、犬の散歩にも、どこへ行くにも、ビニール袋を持参して歩きます。

この野イチゴの正確な名前は知らないのですが、おそらく標高の高い土地にだけ自生する種類なのでしょう。標高約1300mの森の中にある我が家周辺にはたくさん生えていますが、200m下った里の村では、まず見かけません。

  • 7月半ばから白い花が咲き始めます
  • 赤く色づいた実
  • 熟した実は虫たちにとってもご馳走のようです

目立つ色だけに、見つけたら摘んでみたくなりますし、口にしてみる人も多いようです。ところが、7月6日付のブログでお伝えした黄色いモミジイチゴと違って、こちらは生で食べると全然おいしくない。山のことに詳しい管理人さんに訊いても「食べられなくはないけど、うまくないやね」という答。たいていの人は、そこで諦めてしまうようです。でも、蜜蜂や蟻をはじめ、いろいろな虫たちが蜜を吸いに集まってくるのだから、本当はおいしいのかもしれない。そう思って、試しにジャムにしてみたら、大当たり。少し苦みを隠し持って粒々感のある、野趣に富んだジャムになりました。色は、ご覧の通りの鮮やかさです。

  • 摘み取った野イチゴの実
  • イチゴの半量の砂糖をまぶしてしばらく置きます
  • 耐熱容器に入れ、サラダオイルを少し垂らして電子レンジに
  • 少し煮えてきたら、途中で実を潰します
  • 最後にレモン汁を少々垂らします
  • 電子レンジで作る簡単ジャムの出来上がり
  • パンにはもちろん、ヨーグルトやアイスクリームのトッピングにも
  • 瓶詰めにして冷凍保存します

というわけで、夏は野イチゴ摘みとジャム作りに大忙し。せっせと摘んではジャムにし(といっても電子レンジで作る超簡単レシピですが)、瓶に詰めて、お友だちに贈ります。山菜やキノコなどを扱う道の駅でも、このジャムばかりは売っていないので、正真正銘の「珍味」(と悦に入っているのは本人だけかも...)。冬の干し柿と並んで、我が家の贈りものの定番になりました。
毎年楽しみに待っていてくれる人もいるので、そんな人たちの顔を思い浮かべながら作っています。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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