2地域居住 ─富士山と東京、行ったり来たり─
東京から約100km離れた富士山の北麓で暮らしながら、週の半分近くは仕事で東京へ。そんな2地域居住を続ける研究所スタッフのブログです。過去50回にわたって連載したブログ「富士山麓通信」の続編となる今シリーズでは、時折り都会の出来事も織り交ぜながら、暮らしのあれこれを綴ります。

15.かぼちゃづくし

2020年10月07日

都会でウインドウショッピングするよりも、市場でその土地の産物を見て歩くほうがワクワクする。そんな私にとって、地元の道の駅はスーパーやコンビニよりも身近な存在です。それなのに、このところ何となく足が遠のいていたのは、人混みを避けたいという意識があったのかもしれません。でもやっぱり、新鮮で元気な野菜や果物に出合いたい。というわけで、久しぶりに「道の駅なるさわ」へ。コロナに負けず、すくすく育った野菜や果物を見ると、なんだか嬉しくなって「元気だったのね!」と声をかけたくなる気分です。

■カボチャ、かぼちゃ、南瓜

久々に訪れた道の駅で、ひときわ存在感を放っていたのはカボチャの山でした。スーパーや八百屋の店先で見慣れ食べ慣れたものから、ひょうたん形、ラグビーボール形、手のひらサイズのものまであり、形もサイズも色もいろいろ。興味をそそられます。カボチャがウリ科に属することや、ニホンカボチャとセイヨウカボチャの違いくらいは知っていましたが、後で調べてみると、ハロウィンでおなじみのオレンジ色のカボチャはペポカボチャという種類で、ズッキーニもこの仲間だとか。カボチャの世界も、なかなか奥が深いのです。

誘惑に負けてアレもコレもと買い込んでしまった結果が、下の写真。できるだけ小さめなものを選んだつもりですが、最近、夫婦ふたりだけになった家族構成で、さて、これだけのものをどう食べ切るか…。フードロスは出したくないので、ひとつひとつ料理して胃袋の中に収めていくしかありません。

かぼちゃの仲間だからとズッキーニを買い、珍しいからと白ゴーヤを買い、ついでにパブリカやブナシメジを買い…道の駅に行くと、ついつい買い過ぎてしまうのが悪いクセです。

■生食用のカボチャ

サラダカボチャの別名でも呼ばれるのは、生でも食べられるように改良されたという「コリンキー」。オーストラリアのカボチャと日本のカボチャを掛け合わせたもので、完熟させずに若取りしているから、クセがなく皮ごと食べられるのだそうです。

半分に割ってみると、たしかに未熟な段階で収穫したことがわかります。

武骨な外観に似合わず、薄切りにして食べてみると、シャキシャキとした歯触りでさっぱりしたおいしさ。千切りにしてキュウリと混ぜると、マヨネーズ和えでも、ポン酢醬油でも、おいしくいただけます。

素揚げしたナスやパプリカ、白ゴーヤ、ミニトマトなどと合わせて、彩りサラダにも。普通のカボチャに比べて素揚げにも時間がかかりませんが、コリンキーはやっぱり生のまま使ったほうが良かったかな、と思います。

生食用なら、ピクルスにもなるはず。と、作ってみました。道の駅で爆買い(?)したその他の野菜も放り込んで、色鮮やかなピクルスに。白ゴーヤも入れてみたら、苦みがちょっとしたアクセントになり、なかなかいい感じです。

それでも食べきれないので、余った分はジャムにしました。少量の砂糖を加え、形を残した段階で火を止めレモン果汁を少々。普通のカボチャジャムのようなねっとり感はなくて、さっぱりしたマーマレードといった感じです。

■バターのような、ナッツのような

知らないで見たら、ヒョウタンかと思うような外観をしているのは、バターナッツ。その名の通り、バターやナッツを思わせる食感のカボチャです。

画像は、縦割りにしたところ。不安定な形なので、まずは横半分に輪切りした後で縦割りするべきだったと反省。

道の駅のPOPにも「煮くずれするので煮物には向かない」と書かれていたので、ポタージュとオーブン焼きにしてみました。

濃厚な味わいとねっとりした食感で、バターを使わなくてもコクのあるポタージュに。

オーブン焼きは、オーブンに入れる前に塩少々をふりかけ、オリーブオイルを回しかけただけ。おやつにも、おつまみにも、おかずにもなる一品です。

■手のひらに乗るカボチャ

普通のカボチャは、1個買うと使いきるのがなかなか大変ですが、そのイメージを破るのがこれ。食べ切りサイズの「坊っちゃんカボチャ」です。小さくても甘みが強く、ほくほくした食感は、まさに育ちのよいお坊ちゃま風。いろいろな食べ方があるようですが、最も手軽にできそうな詰め物にしてみました。

■ふつうのカボチャ

もちろん、特別な名前もつかず、ただ「カボチャ」として売られている、普段使いのカボチャもたくさんあります。嬉しくなってついたくさん買ってしまったので、他の野菜と合わせて、たっぷり食べられるラタトゥイユに。道の駅で衝動買いした白ゴーヤもパプリカもズッキーニも、一緒に放り込んで、食べ切ることができました。

同じ日に道の駅で買ったシカ肉ソーセージの付け合わせとしても、色を添えてくれました。

カボチャ以外にも、道の駅には、訪れる人をワクワクさせてくれるものがたくさん。珍しいもの、食べ慣れないものについては、必ず手がきのPOPが添えられていて、それを見るのも楽しみです。

みなさんも、旅先などで道の駅や農産物直売所に出合ったら、ぜひ覗いてみてください。旬の産物を通して、その土地土地の風土や人々の暮らしが見えてくることでしょう。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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