研究テーマ

「インクルーシブ・ビジネス・リーダー賞」を受賞

無印良品で取り組むキルギス、ケニア、カンボジア地域での商品開発プロジェクトが2013年10月、IFC(国際金融公社:International Finance Corporation, 以下IFC)が開催する「インクルーシブ・ビジネス・リーダーズ・フォーラム2013」にて、「インクルーシブ・ビジネス・リーダー賞」を受賞しました。
IFCでは、貧困問題という途上国の社会的課題の解決に、収益を上げながらビジネスとして成立する事業モデルをインクルーシブ・ビジネスと定義しています。生産者を自社のバリューチェーンに取り込みながらビジネスを行っている企業を対象に、ビジネスモデル、開発効果、ビジネスの成長の可能性、社会・環境・財務の持続性などをもとに審査を行い、インクルーシブ・ビジネスを促進する環境づくりに取り組んでいます。
無印良品では、ものづくりの一環としてキルギス、ケニアやカンボジアで商品開発を行っています。この活動は、今年6月に国連開発計画(United Nations Development Programme、以下UNDP)が主導するビジネス行動要請(Business Call to Action、以下BCtA)に、アジアの小売業として初めて承認されました。そして、今回の「インクルーシブ・ビジネス・リーダーズ・フォーラム2013」においても同様に高く評価されました。このように、途上国の生産者と一緒に取り組みながらビジネスを成長させる活動は、国際的な場においても広く認められてきています。

◆BCtA年次会合のパネルディスカッションに参加

同年9月、ニューヨークにてBCtAの年次会合が開催されました。この会合の第一セッションに良品計画がパネリストとして登壇し、当社の取り組みの内容と目的を紹介するとともに、インクルーシブ・ビジネスをどう推進し成功させるのかについての議論に参加しました。当社では「感じ良いくらしをリーズナブルに」を実現する大切な要素として、「商い」で社会に貢献することを目指しています。BCtA事業であっても特別なことをするのではなく、普段取り組んでいる本業のものづくりを通して、地域に貢献しようと考えています。また、当社では世界中の様々なパートナーと共に力を合わせて新しい商品・価値を生み出したいと考えています。会場では、「取り組みのコンセプトがクリアで、説明がわかりやすかった」などの評価をいただき、盛況なパネルディスカッションとなりました。

◆国際金融公社(IFC : International Finance Corporation)について

1956年7月に設立された世界銀行グループの国際機関。途上国の民間セクター開発を専門とする最大の規模の国際開発機関。発展途上国の民間セクターを支援することにより、途上国の経済開発を促進することを目的とし、途上国の貧困の削減と生活水準の向上を図るためにプロジェクトに対する投融資や地域コミュニティーへの技術支援などを行っている。

◆国連開発計画(UNDP : United Nations Development Programme)について

国連総会と国連・経済社会理事会の管轄下にある国連機関のひとつとして、1966年に発足(本部:ニューヨーク)。貧困削減とミレニアム開発目標の達成、民主的ガバナンス、危機予防と復興、環境と持続可能な開発の4つを重点分野として、177の国と地域でさまざまな開発支援を行っている。

◆ビジネス行動要請(BCtA:Business Call to Action)について

民間企業のコアビジネスを通じて、ミレニアム開発目標(MDGs)を達成することを目的に、2008年に発足した企業・政府・開発援助機関が参加するグローバルな,イニティアティブ(取り組み)。国連開発計画(UNDP)をはじめとした8つの開発機関や政府などが主導して、商業的な成果と開発の成果を両立するビジネスモデルの構築を支援しています。これまでに農業、保健、金融サービス、エネルギー、教育等の分野で約80の企業がBCtAに参加している。

[関連情報]
MUJI×JICAプロジェクト キルギス編
MUJI×JICAプロジェクト ケニア編

[企業情報]
キルギス、ケニア、カンボジア地域での商品開発プロジェクト「インクルーシブ・ビジネス・リーダー賞」を受賞