研究テーマ

家族の森について(1)

今回から数回にわたって「家族の森」について紹介していきます。
このプロジェクトは千葉県習志野市にある6600平米の敷地に1453戸の住宅、300戸の住宅5棟が建ち並ぶ大型のマンションです。
1ヘクタールもある広大な中庭がもっとも大きな特徴。この庭を「家族の森」と名づけました。

無印良品では以前から「緑のある暮らし」をテーマに暮らしの中にどう緑をとりいれたらいいのか、そしてその暮らしはどういうものかを考えてきました。
すでに計画されていたこの「家族の森」の構想に共感し、途中から参加しています。今回のプロジェクトでは、この広い中庭に面する住戸の一室をコーディネートしてみました。この住戸には専用庭もあり、室内から専用庭、そして家族の森までつづく空間を連続して考えてみました。住戸、専用庭、家族の森と、この3つがつながってできる快適な暮らしはどんなものでしょうか。

まずはコーディネートしたしつらえをご紹介します。

  • リビング、緑と小物たち 無印良品の家具とアンティーク家具、雑貨をしつらえたコーディネート。緑の中で時の流れを感じるような暮らしをを表現しました。
  • 仕切る緑とプランター 可動式のプランターに植えられた緑は、リビングとダイニングをゆるやかに仕切りました。可動式にすることで、空間を自在に変えることができます。
  • つるす緑 目線に近い高さに緑をつるすことで、空間に前後の関係が生まれ、奥行感がでました。部屋をより広く感じることができます。
  • 庭の緑 リビングと庭の緑が立体的に繋がるようなコーディネートをしました。高さのある緑は、視線や意識を庭へと導き、庭が生活の一部として溶け込みます。

いかがでしょうか。都会からそう遠くない静かな場所。自然に囲まれて、緑と向き合う事で、きっと感じる事がたくさんあるにちがいありません。
自然を観察していると、毎日起きる小さな変化、生命の仕組みの緻密さに感動するでしょう。
鳥や虫たちもおとずれるこの「家族の森」。家族と暮らすという当たり前のことをもう一度考えて、そしてどんな暮らしをしたいのか、そんなことを考えてみてはいかがでしょうか。

都心の住戸に比べれば、比較的広い間取りです。ゆとりのあるスペースで何をしたいか、自分たちの暮らしの優先順位をもういちど見直して、快適な暮らしを実現できればとも思います。

次回以降、緑のある暮らしについてもう少しみなさんと一緒に考えてみたいと思います。