MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
トークイベント「住まいレポーターと確かめる団地の魅力」

※このレポートは、2019年1月14日に無印良品 グランフロント大阪 Open MUJIで行われたトークイベントの模様を採録しています。

住まいレポーターによる団地の間取紹介2:トーリーの場合
豊田
それでは、2人目、トーリーよりお願いいたします。
トーリー
僕はアーリーと同じ31歳で、MUJI×URのお部屋に夫婦で入居しています。
最初は神戸の落合団地に住み、DIYで部屋を全てリノベーションするという企画をしていました。畳を外してフローリングを張ったり、間仕切りを取ったりしました。当時、自ら手を動かすような仕事を始めて1年目だったので、インパクトの使い方や木の切り方など、習得したことを自宅で試してみようと思いました。
Before
After
Before
After
豊田
これほどご自身でリノベーションしていただけるお部屋は、URさんの中でも特殊な例ですよね。
田宮
そうですね。一般的なURのお部屋ではこのレベルのリノベーションはしていただけないのですが、「DIY」の対象住戸で、かつ事前に申請手続きが必要になりますが、トーリーのような大規模な室内のセルフリノベーションも実施いただけます。
豊田
トーリーはその後、光ヶ丘パークタウン・ゆりの木通り北団地に引っ越していますよね。田宮さん、こちらも団地のご紹介をお願いいたします。
田宮
光ヶ丘パークタウンは、赤塚駅と下赤塚駅を最寄り駅としており、池袋駅まで乗車10分ほどです。この地域は、もともと米軍の住宅「グランドハイツ」という建物があった場所でした。近隣にある光が丘公園は東京ドーム13個分の広さを持ち、この公園を中心とするように複数の団地が設計されています。トーリーが住んでいたゆりの木通り北団地は、340戸ほどの規模です。
豊田
ではトーリーから、実際住んでみた感想をお話ください。
トーリー
はい。この団地には、イチョウ並木や桜など、季節によって異なる表情が楽しめる通りがあります。近隣に学校や住宅なども多く、さまざまな人々が頻繁に通りを行き交っていました。野球場に向かう子どもや、スケボーをする人、サックスを演奏する人など。
トーリー
僕は気分転換にパソコンを持ち出し、通りのベンチで作業をしていました。ときおきマルシェやイベントが開催され、その賑わいの中を歩くのが楽しくて、少し歩いた場所にある光が丘駅をあえて利用することもありました。
トーリー
団地の商店街に最近MUJIcom 光が丘ゆりの木商店街という新店舗ができました。店舗内には、地域の人々がくつろいで話ができるようなスペースがつくられています。
トーリー
この店舗ができる直前、せっかくの機会だからと思い「お手伝いさせてほしいです。何かできることはないですか?」と尋ねたところ、店づくりの塗装ワークショップを開催予定なのでよかったらぜひと教えていただき、参加することにしました。
トーリー
塗装屋さんからレクチャーを受け、近隣に住む子どもから大人まで30名ほどが集まり、みんなでペンキを塗りました。全て塗り終わり、塗装屋さんによる仕上がりチェックの際には「素人が塗ったとは思えない!」とお褒めの言葉をいただき、みんなうれしそうにしていました。
ワークショップを通じて空間に愛着が湧いたためか、その後、この店舗を利用する人が多いように感じています。
豊田
団地内の一角をお借りして無印良品を出店するのは、こちらの団地が恐らく初めてかと思います。
このMUJIcom 光が丘ゆりの木商店街では、地域の人々が集える空間づくりを目的に、コミュニティスペースとしての貸し出しやワークショップの開催を行っています。正月飾りをつくるというワークショップを実施したこともありました。100円で飲めるコーヒーや、麻畳に座ってくつろげるスペースも設置しています。
トーリー
その他に、30分以下でお貸しするレンタルミシンも置いています。また、本をシェアして交換できるコーナーを設け、4冊持ち込むと3冊持って帰れるといった仕組みを取り入れています。小商いスペースとして、クラフトなどご自身で何かをつくられている地域の方向けに、製作物の販売スペースを時間貸ししています。
トーリー
写真は、団地にお住いの方がつくられたサンドイッチボックスという布製のポーチです。近隣の有名なパン屋さんとコラボし、サンドイッチボックスの絵柄と同じ具材の入った、本物のサンドイッチと一緒に販売していただくという企画を実施しました。
このように地域のお店の方々との共同企画も行っています。