「Found」とは、文脈を変え、新たな用途を見いだすことによって、ものの輝きを拾い出すことです。
つまり既存のものを再発見する見立ての力量が問われているのです。
MUJI AWARDとは、単に「製品化」への期待を担うだけのアイデアの競合ではありません。
グランプリが決まり、各賞が決まるのは、無印良品とはこのようにしてものに光を当てるのだ、という着想と思想の検証でもあるはずです。
そういう意味で象徴的な作品が選ばれたと思います。
金賞のストローには虚をつかれました。「ストロー」とは確かに麦わらそのものだったのです。
しかし麦わらは人工素材に変わり、蛇腹が入って自在に曲がったり、先端が小さなスプーンになったりという、余分な機能にその意味の重心が移行し始めていました。
だから麦わらという「元祖性」を僕らは完全に忘れていたのです。
「Found」されたものの原点がもう一度「Found」される衝撃。そこに評価が集まりました。
- 原研哉
- 小池一子
- 杉本貴志
- 深澤直人
- 金井政明
- ジャスパー・モリソン
