MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト リレートーク vol.4
品川八潮パークタウン団地ハイキング

※このレポートは、2014年11月30日に都内で開催されました、「品川八潮パークタウン団地ハイキング」の様子を採録しています。

土谷
カスタマイズ住宅は実際見てみていかがでしたか?
門脇
上手だなと思いました。原状回復義務のないカスタマイズの取り組みはこれまでもあちこちで行われていますが、なかなかうまくいっていません。何故かというと、管理しづらいから。他人がいじったものを後から入る人が快く思わないのではと思っています。しかし今回のカスタマイズ住宅は、カスタマイズの範囲を壁に限定しているところがポイントだなと思いました。壁に限定したことで、ユーザーにとっても手をつけられる部分が明快になりますから、制限された状況の中で、かえって工夫の余地が増え、自由度も上がるのではないでしょうか。
土谷
もっと上手くその情報を発信できると広がっていくんでしょうね。
門脇
さらに言うと、DIYでどこまで出来るのか、住人だけでは判断も実践も難しいように思いますね。かつては自分たちで家を補修していた時代もありましたが、マンション住まいが進むにつれ、DIYできない人たちが増えてしまった。マンションの壁紙の下がどんな風に作られているのか、わからないからです。しかし海外のテレビ番組では、一日中DIY番組を流しているチャンネルがあったりするんですよね。そして「今日はお風呂の作り方です」などと言いながら大胆なDIY講座をやっていたりする(笑)日本でも住宅は手を入れられるものなんだという考えが浸透していってほしいですね。
土谷
DIYはニーズが無いわけではないのですが、まだ伝えるということができていない。そういった意味でもMUJI×URの良いところは、MUJI自体がメディアだということです。興味を持った方は是非チャレンジしてもらいたいですね。
門脇
さらにこのカスタマイズ住宅が良いのは、わからないことがあったらサポートする体制があることですね。
土谷
まとめに入りますが、1980年代の団地が面白いということが改めてわかりました。今までは60年代を中心に見てきましたが、壁が古く、荒っぽい塗装も含めて、それが味となっていたのですが、80年代の住宅はとても綺麗で、細かい工夫も上手ですね。
門脇
ちなみに、ダンボールふすまについてはどう思いましたか?ダンボールふすまが部屋の中でかなりの面積を占めるので、全体的にMUJIっぽい部屋になるなと思っているのですが。(大多数が賛同)
土谷
MUJIではこういった家のパーツを開発する動きが進んでいます。URとのコラボで生まれた商品もあります。将来的には、URの賃貸に足りないものをMUJIの店舗で購入する、そんな暮らしの変更が簡単にできるようになっていくと良いのかもしれませんね。
門脇
団地だけでなく、戸建の家でも気軽にパーツを変えられるようになると良いですね。
土谷
今まであまりフォーカスされていなかった80年代の団地を知ることができて楽しかったです。門脇先生、ありがとうございました。