横濱帆布鞄の生みの親である代表の鈴木幸生さんは、アパレル雑貨業界で長く企画製造、マーケティングに携わってきました。しかし、生産拠点を海外に置くことに疑問を覚え、独立。20年近く暮らす横浜でものづくりをするにあたり、ふと感じることがありました。

「横浜は東京に近い土地柄のせいか、意外と横浜ブランドが少ない」そう考え、横浜の歴史を掘り起こしました。すると、横浜のイメージは今も昔も共通して「港町・横浜」でした。江戸末期に自由貿易が始まり、漁村だった横浜が通商貿易の港の一つとして開花・発展してきたのです。

横濱帆布鞄で使用しているバッグ本体の生地は2種類。1つは横浜かもめ町にある「森野帆布船具工業所」のオリジナル艦船帆布素材である防水性のビニロン繊維帆布生地。もう1つが関東大震災で横浜の帆布工場が全壊して以降、主力の帆布生産工場である岡山県倉敷にある「武鑓織布工場」の綿帆布生地です。

「ビニロン繊維」帆布は、実は海上自衛隊の艦船で使用されている、究極のアウトドアスペック。触れると少しザラっとした感触で、柔らかくて軽く、さらに水にも強いというのは、毎日使う鞄としてはうれしいところです。

「ものづくりは現場が何よりも大事。近くにあることで、その場でトライアル&エラーができる」と、横濱帆布鞄では事務所内に工房を設置。修理依頼に応えたり、直接お客様の要望に耳を傾けています。