繊維が太く、弾力性に富み、保温性にも優れる「伯州綿」。かつては北前船によって全国各地へと運ばれ、鳥取藩の財政を支えるほどのブランド綿であり、一大産地を形成していました。

伯州綿は繊維が短く、加工が難しいですが、弾力があって軽くて暖かいのが特徴。そして、何より農薬や化学肥料を使っていない国産綿は非常に希少な存在です。

現在、約2.0ヘクタールの畑で伯州綿を栽培しており、そのうちの約0.8ヘクタールの畑は、市民が種植えから収穫まで参加する“栽培サポーター制度”によって支えられています。農薬・化学肥料を使わないため、地道な除草作業が欠かせません。害虫対策には、水で薄めた牛乳をかけたりと、工夫を凝らしています。

収穫された綿は、加工され、境港市の新生児および100歳を迎える方に、それぞれ伯州綿製品の「おくるみ」と「ひざかけ」として贈呈されています。そして、おくるみを受け取った親子は、次年度の新生児のために種を蒔き、栽培に参加していくという取り組みも行われています。