内海町田島の面する瀬戸内海備後灘は、紀伊水道、豊後水道が交わり、穏やかで豊かな漁場をつくります。親子三代にわたって海苔養殖を支え、約半世紀。田島は今では広島県内で最大の海苔産地となっています。

10月初旬に種付けを行い、11月より、育苗が始まります。朝日が昇るよりも早く海に出て、約20日間、毎朝網の手入れを行います。滑車を使って海面から網を引き上げ、ケイソウなどの汚れをきれいに洗い、乾かします。

小さな芽を落とさないよう、大切に大切に育てます。この丁寧な育苗が、おいしさの秘訣です。こうして手塩にかけて育てた自家養殖の海苔で、オリジナル商品の自社加工に取り組んでいます。

「海苔師の生のり佃煮〈極〉」は、シーズン中に収穫される海苔のうち、全体の7~8%しか取れない希少な一番摘みの生のりを使ってつくっています。一番摘みの海苔は圧倒的に味がよく、素材を活かす上品な味付で海苔本来の風味と食感が味わえます。

開発担当は和食料理人として10年の経験を持つ元料理人で、現在は海苔師。試行錯誤の末、海苔の旨味を活かしたシンプルな味付で仕上げています。

佃煮の加工場に続いて、2017年、焼きのり・味付海苔の自社加工設備を導入。養殖から加工に至るまでの一貫生産が可能になり、「海苔師の塩のり-オリーブオイル仕立て-」など新しい海苔の可能性にもチャレンジしています。