生成(きなり)について

生成(きなり)について

1.生成(きなり)とは
糸や布地を晒(さら)さない(無漂白)ものを言い、色の名前ではありません。

2.無印良品で、なぜ「生成」を使うのか
a)素材本来の色合いが楽しめます。
b)漂白や染色工程がないので環境汚染が少なく済みます。
c)漂白、染色工程がないので、その分のコスト削減ができます。

3.「生成」の特徴とは
生成りの糸(生地)には夾雑物(天然の色素く、油脂分、植物の破片等)が残っています。
a)「色素」について
原料の産地、収穫時期、保存環境によって微妙に異なり、糸や生地もそれに準じます。そして、光(自然、人工問わず)によって白く退色します。また、その色素は洗濯を繰り返す事 により夾雑物が次第に薄れて、白色に近づいてゆきます。生地表面に見られる黒いツブツブは植物の破片(綿では綿実、綿糟と称する)であり、生成を作る上では避けられず、逆に特 有の見た目を形成しています。
b)「臭気」について
精錬(漂白等)していない分、臭いも特有なものがそのまま残っています。産地、水分、夾雑物の中の有機的な成分がその臭いの元です。これは湿度が高いと感じやすいですし、逆 に低ければ感じ難いようです。臭いも色素と同様に洗濯を繰り返す事により次第に薄れてい きます。

4.「生成」のデメリットは
「3」は特徴でもあり、捉え方によってはデメリットとも考えられます。
a)毛細管現象によるシミについて(→「生成製品の毛細管現象について」へ)
水に濡れ、乾燥する際に色素が水分と共に生地表面へと移動し、乾燥後には移動した色素だけが生地表面に残ってシミを作ってしまいます。(生成の色素の凝縮されたものなので茶系、黄系のシミです)このシミも洗濯を繰り返す事で次第に薄くなります。この現象は寝装カバーで使うような細い糸を使用した薄い生地よりも、リビングカバーやラグなどで使われている太い糸の厚い生地の方が起こりやすく、夾雑物の量と乾燥の速さが関係しています。 また、素材でも綿より麻のような色素が濃いほうが起こりやすいようです。毛細管現象は水 洗いの洗濯時でも起こります。
b)水洗いの際の洗剤
蛍光増白剤の入った洗剤の使用は好ましくありません。
使用すると、洗濯を繰り返すことで白色に近づくだけでなく、蛍光増白剤が付着し青白く染 まってしまいより自然な色素を損なう事になります。
c)精錬をされていない分、夾雑物内に残った有機物的な物質はある意味栄養素であり、湿った
状態で放置しておくと(精錬加工したものと比べると)カビが発生しやすいのも事実です。
d)夾雑物が原因で使用初期は(精錬加工をしたものと比べると)吸水性が悪いが、洗濯の繰り返しにより次第によくなります。




 
Powered by Helpfeel