MUJI HOUSE Lab

無印良品の家は、快適・安全に、永く住める家づくりのため、
さまざまな研究結果や技術を取り入れています。

安心・安全を実現するSE構法

SE構法の耐震シミュレーション


鉄骨造や鉄筋コンクリート造、
大規模建築物と同じ手法で行う「構造計算」

集成材やSE金物といった部材の強度が分かっていること。
接合部に強度の基準があること。構造部材や接合部などの強度が一定の基準値を満たしていること。
これによって初めて、家の安全性を数値で証明する構造計算が可能になります。

「無印良品の家」では、一般的な木造住宅の建築基準法施行令46条による壁量計算は行いません。ビルなどの大規模建築物と同じ手法を取り入れた構造計算を行っています。

さらに、独自の計算方法として、部材1本、接合部1カ所ごとの力を細かく解析したりしています。
こうした構造計算により、家にどれほどの力が加わるのかを、一棟ずつ、個別に計算しています。


最適な基礎を設計するためのFEM解析

住宅を支える基礎構造は、地耐力や地域特性などを総合的に判断して設計しなければなりません。
「無印良品の家」の工法であるSE構法では、FEM(Finite Element Method:有限要素法)解析によって建物に加わる力を解析。これは従来の木造住宅における基礎の構造計算とは異なり、大規模建築物同様に、基礎梁と耐圧版とを合わせた状態で行う立体的な計算手法で、地盤に応じた強固な基礎設計を可能にしています。


地盤を知り、基礎を計算する

「無印良品の家」では、家を建てる前にまず地盤を調査し、その結果を元に基礎まで構造設計を行っています。
上部構造から基礎構造へ作用する力の分布を明確に算出できるため、上部構造に適した基礎の計画が可能なのです。建物の接地圧(上部構造の重量+基礎の重量)と、地盤の強さを表す地耐力とを比べた場合、地耐力が上回るように設計します。

+AIRシミュレーション

庇(ひさし)や窓の位置から、
最適な日射をシミュレーション

窓の働きは、日射に関して言えば、夏と冬とでは正反対です。例えば、冬に太陽の暖かさを室内へもたらす窓が、夏には暑さの原因となってしまいます。こうした問題を解決するのが「無印良品の家」の実施する「日射シミュレーション」。

日当りは住まいのどの場所がよいか、日射は季節や時間によってどう異なるかを表示し、同じ窓を通じて、夏はいかに太陽の熱を遮り、冬はいかに太陽の熱を得るのかをシミュレーションプログラムで検証。
家と日当りの関係を把握しながら、敷地内における建物の配置やゾーニング、効果的な窓の配置、日射を遮蔽する庇などを細密に検討します。


その土地特有の風、
卓越風を窓から取り入れる

風向きは土地や季節により異なります。
シミュレーションの際は、アメダスデータを元に卓越風(ある地域で、ある期間に最も吹きやすい風)の頻度と方位を図示した風配図を作成。特に、風通しをよくしたい夏の最適な窓の位置やサイズを検証・見える化し、直接的・間接的に風を取り込む方法もご提案します。


家の温熱性能を、エネルギーの削減量や
ランニングコストで確認

シミュレーションでは、まず、暖冷房をせず、窓を閉め切った状態での自然室温を確認。そして、暖冷房負荷計算によって、室内を所定の温湿度(冬の暖房使用なら18℃以上、夏の冷房使用なら27℃以下・湿度60%以下)に維持するのに必要なエネルギー量を1年分導き出します。
さらに、温熱性能の単位(MJ/㎡・年)からは把握しづらいエネルギー量を「月々の光熱費」として算出し、おおよその「家のランニングコスト」を予測します。

この結果と一般的な日本の住宅(30年前の建物、旧省エネルギー基準相当)との性能を比較することで、どのくらい温熱性能に優れているのかを把握できます。