イベント採録
「耐震住宅トークセッション ~耐震住宅100%を目指す試み~」

※このレポートは、2014年8月23日に無印良品の家 MUJI新宿 家センターで行われた、耐震住宅トークセッションの様子を採録しています。

田鎖
そろそろまとめに入ります。
・木造住宅は構造計算してから建てる
・将来のメリットを考えて長期優良保証住宅で建てる(証明書つきの家をつくる)

これはぼくの好みですけど、
・大きい空間をつくって耐震性を確保し、その後からいろいろなことを考える
とこの3つをやっていただけると、その後の住まいがすごく楽になります。

・鉄骨・RC造は1981年以降の建物にお住まいになること
特に、鉄骨とかRCのマンションで耐震改修工事をしようと思うと、マンションの組合によるんですけど、お金がかかる上に全住戸の同意が必要になってしまうので、実現が困難です。だから中古を買うんだったら悪いことは言わないので、1981年以降の物にした方がいいです。

そして将来の話しですが、震災に対して強い国をつくろうということで「国土強靭化基本法」という法律ができました。住宅の耐震化を2020年度までに95%にしましょうというものです。2020年というのは東京オリンピックの年です。先ほども申しましたように、「日本だけにしか地震がない」んです。もちろんイタリアにも少しはあります。中国でも少し。しかし、海外からのお客さんからすると、日本は地震があるわ原発が壊れてるわとなっていて、少なくとも「耐震化率が高い国ですから安全ですよ」とアピールしないと観光客がこないので、国全体としてもいま一生懸命これに力をいれています。
国も耐震化をすることに対してすごく積極的ですので、もし今、ご自宅が少し心配でこれから耐震化しようかな?中古だけども少し直そうかな?と思ってらっしゃる方がいたら、ぜひ、市町村の窓口に行ってください。多分この法律が今年可決したので、来年度の予算が出ていると思いますので、市町村で最大200万くらいの補助金がすでにあるはずです。耐震化をすると補助金がくるということです。それで国のお金をつかって直してくれます、という制度も出てきましたので、いろんな市町村ごとに区分がありますので最寄りのところにお問い合わせいただければいいと思います。もちろんRC住宅も対象です。

最後に。現在、私は、日本の住宅を100%耐震構造にしようという運動を全国で開催しています。
とにかく地震を正しく理解していただいて「地震のときにはなにもしない」「正しく、強い建物のなかにいる」それが最大の防災だということを知っていただきたい。僕は先ほど1980年以前の建物は危ないと申しました。木造なら2000年よりも前の建物は危ないと申しました。しかし、思い出だったり地域に絶対必要だと思われる建物はきっとあるはずなんですね。そのときにお金が足りなくてなんともならないという方がいれば、それを応募していただいて直していこうという運動を展開しています。これはもちろん無印良品にも賛同していただいて、いっしょにやっている運動です。この中で、「あなたの残したい建物コンテスト」を開催しています(※現在、応募は終了しています)。
 
田鎖
僕は先ほど1980年以前の建物は危ないと申しました。木造なら2000年よりも前の建物は危ないと申しました。しかし、人の思い出があったり、地域に絶対必要だと思われている建物がきっとあるはずです。耐震性がないため建て替えや補強する必要があるけど、お金が足りなくて失っていく建物をなんとか残していけないか、という方がいれば、その建物を応募していただいて直していこうという運動です。
これは震災のときの仙台の建物の事例ですが、地震でちょっと壊れたんですね。そしたら、国とか公共機関は「危ないから壊せ」ってことでここは更地にされちゃったんです。僕は耐震活動をする人間として、ここは絶対に改修したかった、直して住みたかったんです。だからこういう仕組みをつくりました。
SE構法で建てた家1棟、構造計算をした1棟ごとに耐震改修費用の積み立てを行い、耐震改修費用を充当するものです。
 
田鎖
皆さんが思う「この建物を残したい」を投票していただいて、そしてみなさんからの同意がいただけたものから順々に耐震改修していきます。素人がやると凄く難しいことなんです。なので、僕らのような技術者も工務店さんも一緒になって「新しい物は構造設計する」「古い物は大事に直していく」。この2つの活動を両輪でやっておりますので、ぜひこの地震国日本の建物が100%耐震性のあるものに、ひとりも家の倒壊で死ななくてすむ国を、みんなでつくっていくことにご協力頂けたらと思っています。ご清聴どうもありがとうございました。
MUJI
ありがとうございました。今日の田鎖さんのお話の中で、耐震性のある家をたくさんつくって日本を安全な国にしていきたいという、執念のようなものが感じられたのではないかと思います。ぜひ、耐震の家を建てる、もしくは改修されるときは今日の話しを参考にしていただければと思います。
本日はどうもありがとうございました。