永く使える、変えられる

空間に役割を固定させずライフスタイルの変化や家族の成長に応じて、家具や建具などのインフィルで自由に仕切り、簡単に安全に変化させていくことができる一室空間の家。今も、10 年後も、30 年後も、さまざまな可能性に柔軟に対応できます。また、空間を自由に効率よく使いこなすには、家のどこにいても均質な心地良さを感じられることが大切だと考えました。
「無印良品の家」は、外の環境に左右されずに、室内の空気をいつでも、快適な温度と湿度に保つ性能を備えています。

安心・安全の理由

「無印良品の家」の地震に対する強さ、構造の頑丈さは、一棟ごとに構造計算で証明されます。
その構造体に採用したのはSE構法。強度実験で品質が保証された集成材で骨太の柱梁を構築し、長寿命で丈夫な金物で接合する、強度と耐久性を求めた新しい木造構法です。

快適の理由

自分にとって「ちょうどいい」洋服を着ると、自然な着心地で違和感がなく、一日を気分よく過ごすことができます。この「ちょうどいい」を住まいで実現するには、住まい手一人ひとりの感覚に合わせ微調整できる、高い快適性を標準化した器が求められます。
「無印良品の家」はその器を高気密高断熱でつくりあげました。

永く使える理由

住宅の平均寿命は欧州は77年、アメリカ55年、日本は約30年と言われていました。
実は日本では、暮らしの変化に「家」が対応できず、使い勝手が悪くなり、まだ十分に住める家が建て替えられた例も少なくありません。家が永く使われるには、耐久性やメンテナンス性はもちろん「変えられる」仕組みも求められていると、無印良品の家は考えました。

かたちの理由

日常使いでストレスがなく、無駄がない理にかなったかたちや機能を持ち、カラダが使い方を覚えているように、自然に使いこなしている。 そんな無印良品の生活用品のような特質は、「無印良品の家」にも息づいています。

すべてに理由がある、暮らしにふさわしいかたち。

「無印良品の家」は、家を飾りたてる豪華な仕様や、個性を主張する装飾はなく、静かに佇む外観には、あえて簡素簡潔を志向したと見る方がいるかもしれません。しかし実際には、「無印良品の家」は、そうなるようにつくったのではなく、住まいのかたちを真摯に追求した結果、「自然とこうなったと」のだと考えています。
「木の家」は、軒が深く縁側がある日本の木造住宅の特長が活かされ、開放感のある独特のかたちが生まれました。「窓の家」のかたちは、17 世紀のイギリスの古い街並みに着想を得た家の原型がモチーフです。「縦の家」は、都市の住宅密集地で広さと日差しと快適性をあきらめない知恵と工夫が、そのままかたちになりました。いずれも流行や異国の邸宅の模倣ではなく、日本の暮らしのために導き出された暮らし方のかたちです。

自由に仕切り、自在に使える一室空間。

個室の数が暮らしの豊かさと捉え、住宅の容量がnLDKの数字で示されていた時代があります。家族のプライバシーが重要視され、個室にこもり、親子が顔を合わせない暮らしぶりも問題になりました。
社会でもっとも基本的なコミュニティを包み込む住宅にふさわしいかたちとは何か。「無印良品の家」が考えたのは、家族同士がゆるやかにつながり、仕切りのない一つの空間を共有、家族の気配が安心感を生む、一室空間という考え方でした。
大きな空間を自由に仕切ることで暮らしに必要な場をつくり、場の機能を終えたら、また別のかたちに組み替えて使う。「無印良品の家」は、お仕着せの空間に合わせて暮らすのではなく、一室空間で家族や住まい手が、自分に合った暮らし方を、自由自在につくりあげる暮らしの器なのです。

構造と間取りをシステム化しています。

「無印良品の家」は、より安全でクオリティの高い住まいをお求めやすく提供するために、合理的な構造計画と効率的な間取りの関係によるかたちの標準化を進めています。組み立て玩具のブロックを組むように、敷地や周辺環境、家族構成に合わせ、効率の良い家づくりが考えられるよう、構造をパーツ化しています。