無印良品 キャンプ場

特集 | 2013 SPRING/SUMMER
誰もいないなら思い切って!

無人島でやってみたい10のこと

あそんだ人◯田上大洋

ネットも携帯もつながらない。見渡す限り誰もいない。
そんな「無人島」へ行って一日まるっとサボッてみませんか。
すっぱり日常から切り離された場所で気ままに過ごす。
誰にも遠慮せず、好きなことやってみたいことだけをする。
いつもと違う流れの時間に、いつもと違う感覚が目を覚ますのです。

01、心置きなく楽器を演奏する

楽器を心ゆくまで鳴らすことは普段はなかなか難しい。だから思いっきり楽器を鳴らせるこの開放感たるや!大音量のつもりでも、音が瞬時に自分を離れて遠くまで飛んでいくのが気持ちいい。

02、徒然に釣り糸をたれてみる

釣れるか釣れないか、は問題ではないのです。大海原にただ釣り糸をたれ、波を眺めながらぼーっと魚を待っているという贅沢。時間の流れはいつもよりゆっくりと......。

03、地球の反対を目指して穴を掘る

「地面を掘り続けたらどこに通じる?」誰もが一度はふと考えること。掘れども掘れども地球の裏側にたどり着く気配はないけれど、無心に身体を動かす心地よさを発見。

04、穴に向かって大声を出してみる

せっかく掘った穴ならば、有効活用を。というわけで、穴の中に思いのたけをぶつけてしまってスッキリ。でも、いざ出そうとすると、なかなか大声って出ないものなのですね。

05、大自然の中を走ってみる

知らない土地を知るには、自分の足で確かめてみるのが一番。土の上を気の向くままに気が済むまで走っていると、両足で大地と対話している感覚になってくる。

06、大空たかーく凧をあげる

最後に凧あげしたのはいつだろう? 引っかかりそうな障害物なんて何もない。どんどん糸を繰りながら、手の届かないところの風を感じると、子どもの頃の記憶が蘇るよう。

07、眠くなったら好きなだけ昼寝する

横になって本を読んでいるうちに、波の音が子守唄になってうとうと夢の中へ。この「いつの間にか」感がとてつもなく心地よい。睡魔に抗わなくていいって幸せ。

08、好奇心で食べてみる

臭いが強烈かつ美味(!?)という「くさや」に、この機会に挑戦。周囲の迷惑を気にしないでいい開放空間とはいえ風下は危険。感想は......大人の階段を上った気分(笑)。

09、焙煎したての珈琲をいただく

コーヒー1杯を生豆の焙煎から始めてみる。じっくり手間暇をかけたおいしさはもちろん、じっくり豆を炒っていると、次第に立ち上る香りに包まれ、癒しの時間。

10、焚き火をしながら静寂を楽しむ

揺れ動く焚き火とともに迎える静かな夕暮。日常では火はコントロールされるべき危ないヤツ。でも、こうして向き合っていると、その存在は温かく、安心感を与えてくれる。

日常からすっぱり離れて、一人無人島で過ごすこと。これぞ大人をサボるということ! そんな贅沢な「サボり」を体験したのは、普段は会社員としてマジメに働く田上大洋さん。無人島で自由気ままな一日を過ごした後、サボりをテーマにした外あそびを主宰する、サボリガイドの寒川ハジメさんを訪ねました。
「 師匠、サボりのコツって、なんですか?」

寒川(以下、寒):無事に帰ってきたね(笑)。初のサボりはどうだった?
田上(以下、田):丸一日外で過ごすこと自体、新鮮でした。凧をあげたり、釣りをしたり、穴を掘ったりと、「単純作業」で無になっていく感覚が気持ちよかったのは、ひとつの発見でしたね。普段は、休日でも「何か買いにいかなくちゃ、何かやらなくちゃ」の連続で、何も考えないことってなかったんだなぁ、って。
寒:無になっていく気持ちよさっていうのは、すごくわかるなぁ。ただ、「単純作業」と言っても、風の具合だったり海のコンディションだったり、自然条件と向き合うことは不可欠だから、凧にしても釣りにしても、毎回同じことにはならない。「今日は今日のおもしろさ」があるんだよね。だから、外でサボるのは、飽きないしおもしろい。
田:そうですね。そうやって、外で気の済むまで好きなことだけをして、日常から完全に離れて過ごす時間は、ほんとに贅沢でした。
寒:普段の休みの時って、街中で観光や買い物をしていたら夕方までなんてあっという間。でも、人工物がないところにいると、いろんなことをしてる割に、ゆっくりと時間が過ぎていくんだよね。
田:時間の流れ方は確実にちがいましたね。流木を拾って焚き火をして、ただ火をぼんやり眺めるだけで、ずいぶん癒された気がします。
寒:最近、「サボる」っていうのは、「立ち止まること」なんじゃないかって思っていて。物理的にある場所に留まっていると、地球や太陽の動きを感じるでしょ。
田:確かに! 普段すっかり忘れてしまっているんだけど、地球っていう大きなものの上に自分がいるんだなあ、って感じました!
寒:そうそう。そして、結果的に自分の存在を再認識するというか。サボるっていうのは、そういうことなんじゃないかな。
田:なるほど。実は今回、「サボる」ってどういうことなんだ? ってちょっと戸惑ったんですよね。普段そんなこと考えたことないので(笑)。
寒:真面目だなあ! うちにサボりにくる人も、生真面目なタイプが多いみたい。気合いを入れて昼寝しにくるもんね。
田:あ、僕も今日初めはそんなところもありました(笑)。
寒:サボりのコツは、無理をしないこと。会社勤めをしていた頃、毎週末キャンプに行ってた時期があるんだけど、その非日常の楽しみすら日常化してくると、そこからさらに脱却=サボりたくなっちゃって。気合い入れてやりすぎると、元も子もないよね。
田:そうですね。ところで、寒川さんなら、無人島にサボりに行ったらどんなふうに過ごしたいですか?
寒:んーそうだなぁー......。やっぱりスッポンポン、かな! 誰にも見られてないって分かってても、周囲を気にしちゃって緊張しちゃいそうだけどね(笑)。田上さんは次回、無人島でサボるとしたら、何したい?
田:「何もしない」かな。今回は張り切りすぎちゃったんで(笑)。......サボり、病みつきになりそうです。

田上大洋 | 1977年神奈川県生まれ。趣味は、トランペットとランニング。旅先や出張先で、早起きをして知らない土地を走るのが密かな楽しみ。
寒川ハジメ | 1963年香川県生まれ。アウトドアガイドとして、「サボり」がテーマの外あそびを主宰。

いっしょに読む