無印良品 キャンプ場

みんなの外あそび | No.167
リラックス, 家・近所

外で感じること

三谷一弥/無印キャンプ場スタッフ

小さい頃から、外で遊ぶことが多かった。いろんな所でいろんな遊びをした。特に好きだったのが木登りだ。公園に行っては登れそうな木を見つけて登る。ただそれだけ。それだけで楽しい。なかには登りづらい木もある、どうやっても登れない。「悔しい、絶対に登ってやる」と、考える。何度も何度も挑戦する。木登りにおいてまず間違いないのは裸足が最強であること。

「よっしゃ!」

登れると、とてつもない達成感がある。そして木の上から見える景色、これがまた最高。「3メートルの巨人はこんな目線かー」と思いながらまず公園を見渡す。友達や遊具が小さく見える。面白い。次に感じるのが風。下にいる時とは違った風が吹き、木の上は木陰になっていることも多く涼しい。なんとも気持ちが良い。風とともに葉の揺れるザザザァーっという音に包まれ、清々しい気持ちでいっぱいになる。

しばらくボーっとしていると気に住んでいる様々な生き物に気づく。「お邪魔してまーす」と思いながら観察する。興味深い。

そして登る時に忘れてしまいがちなのが、登った分だけ自分で降りること。下から登る時の景色と上から降りてくる時の景色、当たり前だけど全く違う。登ったことを少しだけ後悔しながら必死に降りる。怖いから最後は飛ぶ。「良かった、生きてたー」と、心臓をバクバクさせながら上を見る。

「あそこにいたのかー、俺すげー」

のど元過ぎればなんとやら。地面に着くとさっきまでの怖さは忘れ、「次はどれに登ろうか」と辺りをきょろきょろしてしまう。

そんな幼少期を過ごしていたが、周りの目が気になる歳を迎え、木に登ることはまったくなくなってしまった。でも不思議とあの感覚とあの景色は、大人になった今でもしっかりと覚えている。

外で遊んだ時の、その場所のその瞬間でしか体験することのできない景色は宝だと思う。SNSが発達し情報が溢れている今、画像を見て動画を見て疑似体験はできるかもしれない。でもそれは見ただけでしかなく、いずれ埋もれていってしまう。だからこそ、全身で感じた時の衝撃と発見と経験に勝るものはないと、今改めて思う。

最後に裸足になったのはいつだろう。最後に夢中になって遊んだのはいつだろう。昔の自分に負けてられない。今の子どもたちにも負けないぞ、本気で遊んでやる。とりあえず次の休みは木でも登ろうかな。

みたにかずや | 1998年埼玉県生まれ。無印良品嬬恋キャンプ場スタッフ。小さい頃から自然のそばで暮らしたい、冬は雪が降る地が良い、という思いがあり、キャンプ場に就職。時代の逆を行くアメ車と共に春から秋にかけてはキャンプで自然と触れあい、冬は雪山で遊ぶことを軸にわかさぎ釣りと出会うなど、充実した日々を過ごしている。

いっしょに読む