みんなの外あそび | No.135
愛すべき足元

"人生は果てしなくビーチサンダルと共に"

片山誠司/居酒屋Be-山(ビーサン)隊長取締役

自分のトレードマークとは言わないですがサンダルが好きです、その中でもビーチサンダルが大好き。
自分の辞書には「靴」=「サンダル」という数式が載っているかのようで、もはやサンダルは自分の肌の一部と言ってもいいくらいです。
ある時、いつからこんなにサンダル好きになったのだろうと歴史をさかのぼったことがあった。
思い起こせば、高校2年の学校祭のときに数人のクラスメートとせっかくの祭りなのだから何か普段と違うスタイルしようぜ!と妙に盛り上がり、結果、仲間と雪駄(せった)を買い、通学にも履いていた。
その頃自転車で旅することが好きだったこともあり、朝から一日中ペダルを回し続けた足を疲労感から開放するために、靴下を脱ぎ素足でいい雪駄スタイルはもう天国。一発でこのスタイルが気に入ってしまった。それはすなわち自分の心の中で靴下を履かない、いや履きたくないという願望がふつふつと湧き出た時代であった。
高校卒業後、運よく大学にも受かり、なんの迷いもなく学生寮に入ったのだが、これがまた寮内は靴下禁止という願ってもない環境だったため、素足主義はますます強化されていった。
大学に入ってから国内外、大きなザック(バックパック)を背負って旅する時間がどんどん増えた、当時同じように街を抜け出して旅する連中に数多く出逢ったが、自分の場合はザックに靴をぶら下げて、足元はビーチサンダルという他の旅人とは真逆のシューズスタイルであった。
そんな10~20代を粛々と過ごし、やがて社会人になりそれなりの体験を踏まえ、様々な反省もしたはずなのに、やはり今もサンダルが好きなのである。

ここ最近はサンダルと言っても、なかなかイケてるデザインのアウトドア系サンダルが市場に溢れており、昔と比較できないくらいサンダル人口が増えた。ファッション性も非常に高く女性のサンダル率(アウトドアっぽいのね)も高くなったと思う。
ただ自分は足を入れてからベルト類を手でいろいろ操作してからさて行くか!みたいなサンダルはどうも苦手で、立ったままで片足ずつ突っ掛け、それこそ歩行中に気が付いたらサンダルを履いてしまってました~みたいな感覚、履く作業というものがあまり必要がなく、気を遣うこともないサンダルが好きだ。
今ももちろん普段履きとしてサンダルを愛用(笑)していますが、相棒として思い出深い旅も多々ありました。そのいくつかをちょっと書いてみます。

「2006年ドイツW杯の旅」
旅にはいつも何かあった時のために靴を荷物に忍ばせるのだが、2006年7月のドイツW杯1人旅は荷物を超軽装にするために約10日間ビーチサンダル一丁で回った。観戦チケットだけ握りしめ宿も移動スケジュールも一切決めない旅。夜行列車で朝を迎えたり、フーリガンと共に駅で寝たり、会うやつ会うやつ「日本からそのサンダルだけか?!」と笑われたり驚かれたりの毎日でした。世界的なスポーツイベントに自分らしいスタイルで参加でき大変楽しい満足な旅でした。ただ日本代表の結果は・・・チーン。

「槍ヶ岳でサンダル」
20代に夏の1シーズン、槍ヶ岳の某山小屋で働いたことがあります。もちろん山小屋まではちゃんとそれなりの靴で登りました。ただ山小屋での普段履きはもちろんサンダル。お昼の休憩時間によく肩の小屋まで遊びに行っていたのですが、荷物も何もないので小走りで片道10分かからないぐらいで、その際も足元はビーチサンダル。こっちは普段通りのスタイルなのですが、すれ違う、もしくは追い抜く登山者のほとんどがその足元にびっくりして顔と足元を二度見、その度に「下の小屋で働いているので・・・」と説明、そして「いいね~、羨ましい~!」との声を浴びていました(笑)。登りの時より、下って来た時の方が驚き度は高かったようです。懐かしい思い出です。

「フジロック、全日程もちろんビーチサンダル」
日本最大の野外フェスと言えば、言わずとも知れた"フジロック"。前夜祭から含めると4日間野外でフェスを楽しむことができる。開催時期は7月下旬、梅雨は開けているとは言え、会場が苗場スキー場という山間部でもあるため、雨対策をしっかり整えていないと痛い目に遭ってします。雨具はもちろん、足元も・・・ここでほとんどのオーディエンスは長靴という選択を実行しているようであるが、備品として長靴を荷物として現地に持って行くことはどうも自分にはピンと来なくて、もうそれだったら全天候装備として、ここはやっぱりビーチサンダルなのである。濡れても、泥にぬかるんでも川で洗い流せばOK!

などなど偉そうに書きつづってきました。
でもここで気が付きました、これは単純に自分は靴を履くのがただただ面倒くさがり屋なだけなのだろうな、と。Take It Easy!なサンダル野郎です(笑)。

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2016年現在活躍中のTeam Myサンダルズ(笑)
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オーストラリア1年間の放浪旅、このスタイルが大好きです
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槍ヶ岳の小さな山小屋の前でのワンショット。写ってないですが、足元はもちろんビーチサンダル
片山誠司|初ヒッチハイクが幼稚園の時、アウトドア歴50年という旅好き、キャンプ好き、サッカー好き、そしてビールをこよなく愛する変態(笑)。20年間勤めたアウトドアメーカーを退職し、愛犬「空知(そらち)」と共に故郷北海道空知エリアにUターン。この秋に岩見沢駅近くに旅好きな人たちが集える小さな飲食店『Be-山(ビーサン)』をオープン予定。

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