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キャンプ場最新情報 2005 掲載日:2005/12/01

無印良品キャンプ場
「第5回ヤマメ発眼卵放流」レポート


日時:2005年11月12日(土)場所:多摩川上流海沢川

 
  子どもたちに渓流魚の小さな生命を自分たちの手で誕生させる喜びを伝えたいと、始めた発眼卵の放流も今年で5回目。今回は氷川漁業協同組合、島嶼(とうしょ)振興センターの方々のご協力を得て、多摩川の上流・海沢川で渓流の女王「ヤマメ」の発眼卵(孵化する一歩手前の受精卵)を放流してきました。そのレポートをお届けします。






  早朝はあいにくの雨模様でしたが、放流する時には雲の切れ間から光も差し込み、紅葉も映える青空となりました。まず入渓する前に、ウェーダーや長靴を消毒します。これは他の河川で付着したかもしれない悪い菌をこの海沢川に持ち込まないためです。次にバイパートボックス(お腹にかかえた卵のうがなくなった状態の稚魚になるまで、外敵から身を守るための箱)を消毒し、組み立てます。そして、傷つけないように中に発眼卵を入れました。




悪い菌を川に持ち込まないために、アルコールでウェーダーや長靴を消毒します。
 


卵をすくうスプーンなど、卵に触れる道具は全て、消毒します。




板状のバイパートボックスを、しっかりと組み立てていきます。
 


卵を傷つけないように、優しくバイパートボックスの中に入れます。



  スコップで川底をさらい、ザルを使って水中でふるい落として小石だけを集めます。晴れ間がのぞいたといっても、この日の水温は約10℃。そんな冷たい水をもろともせず、参加者の方は積極的に川に入って、作業を楽しんでおられました。選別した川石をカゴの底に敷き詰め、生命をたくしたバイパートボックスと共に、小石でカゴの中をいっぱいにします。水生昆虫などの外敵から保護するためです。




川底の砂利をさらって、小石を集めます。
 


バイパートボックスを小石で埋めつくします。



  バイパートボックスの埋設場所も同様に、さまざまな自然環境の影響を受けにくい場所を選ばなくてはなりません。例えば、砂地は砂が卵を傷つける恐れがあるので避け、澱みは落ち葉が堆積し、酸素が送り込まれない恐れがあるので、ある程度流れのある、石底を選びます。後は、流されないために漬物石のような重い石でカゴを覆います。最後に、川に入った人にバイパートボックスを、埋設したことを周知していただくために、発眼卵放流の趣旨を記入した、目印を取り付け、孵化する姿を想像しながらその場をあとにしました。




埋設するのに適した場所を選んで、皆で石を運びます。
 


カゴが流されないように、重い石を上から載せました。




埋設場所近くの木の枝など、人目につきやすいところに、目印をつけます。
 


格子の役割は外敵保護。おなかにぷっくりとついている「卵のう」がなくなると、下段より厳しい自然界へと飛び出していきます。



  来年の春には、このバイパートボックスを回収する予定です。もしこの発眼卵放流にご興味を抱かれた方は、孵化して元気に泳ぎ回る稚魚を一緒に見に行きませんか。詳しくは、カンパーニャ嬬恋キャンプ場の櫻井までお尋ねください。


「孵化
  今回は5000粒の発眼卵を放流。この日までの卵の「積算水温」は344.9℃。ヤマメは400℃で孵化するので、あと6日ほどで孵化するとのことです。積算水温とは、孵化するまでに必要な合計温度で、計測した一日の平均水温を所要日数で乗算した温度のことです。

レポート:カンパーニャ嬬恋キャンプ場教室担当 櫻井 あゆみ



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