伝統こけしは、農家の副業として東北地方の極しい冬の間に、子ども用玩具やお土産物として作られたのが始まり。その後、大人が鑑賞用として価値を見いだしました。

カンナ棒を使って器用に手首を回しながら木を削っていくと、あっという間に、筒型だった木がこけしの形に変化していきます。佐藤さんは、代々引き継がれている、70種類以上の伝統型に沿って製作しています。

材料となる木材は全て国産天然木を使用。材料の選定から始まり、ロクロにかけて削る前にできるだけ近い形に切ったりする木取りの作業に時間がかかるといいます。

佐藤さんの作る弥治郎系こけしの特徴は、しま模様が多いこと。ロクロを回しながら、くるくる回るこけしの胴体にそっと筆を入れると、みるみるうちに線が描かれていきます。

かつては子どもの遊びというイメージの強かったけん玉ですが、近年、ファッション性の高い遊びとして、世界中で年齢を問わず愛されています。こけし工人の佐藤さんも実はけん玉プレーヤーの一人。けん玉を通じて、こけしが世界に知られる日も近いかもしれません。