Café & Meal MUJI
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「素の食」はおいしい。
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美味しいコーヒーに出会うまで
[2007.12.28 更新]
Café&Meal MUJI で提供している「レインフォレストアライアンスコーヒー」の輸入をしてくれているUCC運営のコーヒー博物館に、コーヒーの勉強に行ってきました。
普段何気なく飲んでいるコーヒーにどんな物語があるのか、美味しいコーヒーに出会うまでをレポートします。

博物館に行く前にまずは、コーヒーについての基礎知識を学びました。レインフォレストアライアンス認証コーヒーについての復習もしました。詳しくはバックナンバーをご覧ください。バックナンバーはこちら
つぎに「カッピング」という、コーヒーの味比べをします。
挽いた豆の香りを比べ、その後お湯を注ぎ、また香りを比べ、飲み比べ……初めての経験ですごくおもしろかったです!
香りをかいで、すぐにはっきりと個性が発見できるものと、これコーヒー?と首を捻ってしまうもの、豆の違いがわからないものもあります。これらを見分け、イメージ通りにブレンドして美味しいコーヒーにするのは、本当にプロフェッショナルだなとしみじみ感心してしまいました。

カッピングで早くもコーヒーに魅了されつつ、待望の博物館へ。博物館が大好きでよく行くのですが、コーヒーの博物館は初めてで、興味津々です。コーヒーの起源はなんと、一千年以上も昔にさかのぼります。

歴史
伝説によると、ヤギや小鳥が人間に教えてくれたというコーヒーは、アフリカのエチオピアで自生していました。コーヒーは長い間国外の持ち出しが禁止されており、16世紀初頭に初めて国外に持ち出されます。たどり着いたブラジルの地での努力が実り、コーヒーづくりは大成功をおさめます。(さすが世界一の生産量を誇るのには訳がありますね)
その後、ヨーロッパ列強の植民地政策で、一気に全世界70ヶ国余りで栽培されるようになります。
1630年にはヨーロッパの上流階級の人々に伝わり広められていきますが、日本で初めてコーヒーが飲まれたのは1690年頃、元禄時代の長崎の出島だったそうです。その後明治時代に牛乳と共に普及していきます。当時もラテが人気だったんですね!
はるか昔、はるばる日本にやってきた真っ黒な飲み物「コーヒー」が、どのようにして育てられ、私たちが毎日気軽に飲めるようになったのかご紹介していきます。


栽培
コーヒーが育つ国は赤道をはさんで南緯25〜北緯25の間に点在します。この地帯を「コーヒーベルト」と呼びます。
コーヒー輸出量の世界1位はブラジル、2位にベトナム、コロンビアと続きます。
南米の強い日差しの下で栽培されているイメージが強かったので、ベトナムが世界第2位なんて意外ですよね。
実はコーヒーはすごく繊細な植物で、暑さや寒さに弱いそうです。観葉植物としても販売されているのはそういう訳からかと、納得。
苗木を1本1本植える事から始まるコーヒー栽培。毎日の水やりの他、肥料や除草、シェードツリーと呼ばれる高い木や、とうもろこしの垣根を作って直射日光があたらないようにするなど、手間隙をかけて育てます。
発芽後3〜4年でやっと一人前になり、ジャスミンのような芳香を放つ白くて可憐な花が咲きます。花が3〜4日で散ると実がつき、6〜8ヶ月かけて真っ赤に熟します。この真っ赤な小さな実がさくらんぼのようなので「コーヒーチェリー」とよばれるそうです。
熟した果肉を剥くと種が2つ入っており、やっと私たちの知っているコーヒー豆の形になります。果肉を取り除く方法も水洗式(ウォッシュド)と非水洗式(アンウォッシュド)があり、水源のある地域は水洗式、収穫時期に乾燥している地域は非水洗式など、地域により変わってきます。コーヒーチェリーのまま実を干し、その後、種を取り出すアンウォッシュドは深みのある味わいのコーヒー豆になるそうです。
豆の扱い方ひとつで味が大きく変わるということを知り、驚きましたが、ワインのように、赤、白、ロゼがあるイメージだそうです。アンウォッシュドが赤ワインの様に深みがあるのに対して、果肉を水で洗い落とすウォッシュドは白ワインのようにクリアな味わいだとか。なるほど、わかりやすいですね!
流通
こうして豆となり、世界中に流通していくのですが、その前に厳しい選別がされます。
麻袋に入ったコーヒーはランダムに選ばれ、クラシフィカドール(コーヒー鑑定士)によって、生豆の色、形、粒度の揃い具合、欠陥豆などがカウントされ、卓越した臭覚と味覚でコーヒーの香、味をききわけ、格付けがされます。
私達も実際に体験した方法で、粗引きの豆に160ccの熱湯を注ぎ、コク・甘味・酸味を調べるのですが、鑑定士の方々は味覚を鋭く保つため、普段から刺激物を口にしない徹底ぶりだそうです。遠い国のプロ達のおかげで今日もおいしいコーヒーが飲めるのだなぁと思うと、感慨ひとしお。
この厳しい選別に生き残った豆だけが、船に積み込まれ世界にむけて輸出されます。
上:焙煎後
下:焙煎前の生豆
加工
よく聞く焙煎という言葉。これはコーヒーの生豆を炒ることで、美味しいコーヒーになるには欠かせない工程です。
焙煎時間や方法により、浅炒りから深炒りまで8段階があります。同じ産地の生豆でも焙煎の方法によってまったく異なる風味になるそうです。
ライトロースト → シナモンロースト → ミディアムロースト → ハイロースト → シティロースト → フルシティロースト(これがCafé&Meal のエスプレッソになります) → フレンチ(カフェオレ) → イタリアン(カプチーノなど)

このようにして、こんがり香よくローストされたコーヒー豆は、コーヒーミルで細かく挽かれ、熱いお湯を注ぎ、朝の目覚めやお茶の時間、夜のひとときにと、世界中の人達に楽しまれています。
毎日何気なく飲んでいるコーヒーがますます美味しく感じられ、とても勉強になった一日でした。
帰りに小さなコーヒーの木(鑑賞用)と、博物館を見学する前に自分でブレンドしたコーヒー豆をいただきました。もったいなくてまだ飲んでいませんが、きっと美味しいはず。今からとても楽しみです。

コーヒーについてより深く知ることができ、お客さまに一層美味しいコーヒーをお入れできるようになったのでは、と張り切っています。
ぜひ、Café&Meal MUJI にくつろぎの一杯を飲みにいらしてください。

レポーター
Meal MUJI 京都BAL 店長 尾上深幸
Café MUJI 二子玉川 店長 野上飛佳
コーヒー博物館について
コーヒーと、UCCの歴史がたくさんのパネルや模型などで展示されています。
UCCは創業1933年「上島忠雄商店」という商号でスタート。意外と渋いですね。
なんと世界初の缶コーヒーはUCCの発明だそうです。缶コーヒーの大ヒットから「世界のUCC」へと発展していきます。歴代の缶コーヒーのCMも見ることができ、当時のアイドル、俳優さんなど懐かしい映像がいっぱいでおおはしゃぎ!各国のコーヒーカップの展示もあり、中には髭にコーヒーがつかない特殊構造の、髭の人専用カップまでありました。
歴史あるUCCの過去・現在を、身近なコーヒーを通して大人も子供も楽しめます。
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