
春から夏へ、秋から冬へ、そしてまた春へとめぐる。そんな四季の移ろいを味わいながら暮らす日々。


都心から少し離れた鎌倉へ引っ越した藤井さん。そのきっかけを尋ねると「偶然、いい家と出会えたこと」。以前から、不規則な生活を改善して、心にゆとりを持った暮らしをしたいと考えていたそうです。「仕事や生活の仕方が大きく変わるので迷いましたが、でもやっぱり動くなら今かな、と思って決めました」
そこで変わることができてよかった、と藤井さんは実感します。それまでは外食が多く、夜更かしも当たりまえ。それを朝型の生活に切り替えることができました。「鳥の声で自然と目が覚めてしまうんです。鳥の名前や鳴き声がだいぶわかるようになったんですよ」
家具選びなどは低い目線で暮らせるように心掛けたり、大切にしているものほど見えるところに飾ったり。朝の散歩で摘んできた野花を飾ったり。気持ちの行き届いた穏やかな空間のなかで、季節の変化を感じながら、ささやかな楽しみを感じる生活がここにあります。


春の緑、夏の日射し、秋の月明かり、冬の雪…。一日一日変化する自然の気配や、季節のうつろいが外から内へと伝わってくる和の住まい。“間”を大切にした空間は風や光をよびこみ、目線の低い暮らし方は細やかな出来事にまなざしを注ぎます。心がほっとやわらぐような。
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書籍の編集をしている藤井さんですが、いっしょに本づくりを進めている担当さんから「いつも社での打ち合わせでは申し訳ないので、今度はこちらからうかがいますね」と自宅で打ち合わせることに。
せっかく足を運んでもらうのだから季節の花や緑でおもてなしをと、朝の散歩道で摘んだ野花や、庭で育てている植物を、日あたりのいい縁側に。訪れた担当さんとなごやかな雰囲気で打ち合わせができて、さまざまな構想が浮かびます。企画の話が一段落したら、お茶の時間に。煎茶の香りに和みながら午後を過ごしました。

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打ち合わせが済んで、のんびりリラックスタイムです。明日できることは今日しない、というのもたまにはいいかも。読みかけの小説の先が気になっていた藤井さん。仕事を切り上げ縁側に寝そべって、つづきを読みはじめます。「文庫本はカバーを外すと、本棚にならべたとき背の色が揃ってきれいなんです」
光と風をもっとも感じる場所に、きれいな赤いイスと小さな本棚が。そのイスの名前はスワンチェア。「これなら、と思える一脚を大事に、自分のために手に入れたかったんです」と藤井さんはうれしそう。
しだいに陽の光が橙に染まり、夕方が近づいてくると、室内の雰囲気がすっと変わるのがわかりました。ただ明るさだけでなく、陰影を楽しめるのも和の空間の魅力。障子越しの淡い日のそばで木の家具の存在感が際立ったり、ほのかに灯るライトが空間に表情をつくったり。日暮れ間近のひとときが、心に静けさをもたらします。

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