2008.12.01
窓の家。グッドデザイン金賞受賞記念 隈研吾氏講演会。

先日レポートしたとおり、「窓の家」が2008年度グッドデザイン金賞を受賞しました。それを記念した講演会が一昨日開催されました。
講演は、2008年度グッドデザイン賞を受賞した商品が一同に展示されている、『東京ミッドタウン・デザインハブ』にて行われました。講師は、「窓の家」のデザインを監修した隈研吾氏です。
休日ということもあり、『デザインハブ』には大勢のお客さんがいらっしゃっていました。もちろん、「窓の家」の模型もあります。

さて、隈先生の講演会ですが、内容は2部構成です。

前半は、「窓」とは何か、どうやって「窓」を確保するのか、などといった話題を、これまでに隈先生が手がけた建築物や、あるいは世界的に有名な歴史的建築物などをスライドで見ながらお話しいただきました。
隈先生が手がけた「亀老山展望台」や熱海の「水/ガラス」、「北上川・運河交流館 水の洞窟」、「那珂川町馬頭広重美術館」、「森舞台/ 宮城県登米町伝統芸能伝承館」、「LOTUS HOUSE」、「ONE 表参道」、あるいは「桂離宮」、「日向邸」、「西本願寺南能舞台」など、非常に多くの写真を見ながら、それぞれの「窓」の果たす役割などを説明してくださいました。

隈先生いわく、「窓というスリットを通して、建物の外と中を繋ぐという発想は、非常に日本的な発想」とのこと。20世紀前半に活躍した建築家、ブルーノ・タウトも「桂離宮」を見て、「日本の建築は、(建物の外と中との)関係性の建築だ」と語ったそうです。
隈先生のことばで特に印象的だったのは…、「広重美術館」設計した際に、美術館の入り口の位置を、わざわざ遠回りして、美術館とその裏手にある山との間にある庭を通ってからでないと美術館に入れないようにしたのだそうです。その設計に対し、関係者の誰もが当初は反対したんですが、隈先生が「自分が建てたものよりも、その後ろにもともとある森のほうがずっと美しくて大切なもの。遠回りをして、山を見てから美術館に入るようにしないと、みんな美術館だけを見て、この山のことは忘れちゃいますよ」といって、遠回りな入り口をそのまま残したのだそうです。
つまりは、人間がつくる建築物よりも、もともとある自然のほうの価値がずっと高い、ということなんですが…、これって、建築物の設計を生業とする建築家がそうそういえることじゃありませんよね。隈先生は、こういう価値観に基いて、「窓」というものの大切さをずっと訴えてきたわけですけど…。うーん、本当にすごいことです。
無印良品も、ものをつくって売っているのですが、個人的にはこういう考え方には賛成です。先日の「無印良品の家 メールニュース」でも「ものを持たない暮らし」という考えかたが紹介されていたのですが、非常に共感できましたし。
講演の後半は、これまでの隈先生の成してきた仕事が「無印良品 窓の家」にどう生かされているか、というテーマです。

木造住宅で「窓」を大きくするためには、いろいろな技術が必要です。「無印良品 窓の家」の窓は、木製なんですが、これは実は木という素材が断熱性に優れているうえに、非常に細かい細工ができる素材だからなんです。もちろん、細かい細工ができる、といっても、それは日本らしい、技術の高さに裏打ちされたものです。その結果、窓枠がほとんど印象に残らないくらい、非常に細い窓枠ができあがり、大きな窓の印象が強い家ができあがったわけです。
最後に隈先生は、こうおっしゃいました。「窓の家は、とにかくシンプルなものをつくろう、ということを目指したんだけど、シンプルなものをつくるのは、いろいろと細かいところをビシっと決めないといけない。それゆえ、シンプルなものをつくるのは、非常に時間がかかる」と。
そうですね。これはものづくりの核心をつくことばだな、と思いました。「窓の家」だけでなく、無印良品のすべての商品は、たいへんだけど、こういうものづくりを目指さなくてはなりませんね…。非常に充実した、勉強になった講演会でした…。
「窓の家」の実例はこちらです。ぜひご覧になってみてください。










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