2009.3.25
無印の鍋
最近のデパートの鍋売り場は、ブランド品がずらりと並び華やかです。そしてどれもお高い…。
売り場でキョロキョロしていると、「それ新色です。サイズお出ししますよ。」と声をかけられ、まるで靴の売り場にでも迷い込んだかのようです。
ブランドの鍋と比べると、無印の鍋は派手ではありませんが、使いやすさを追求した機能美が自慢です。蓋は別売で、ステンレスとガラスが選べます。そんなに背伸びしないで買えるお値段です。
まず素材ですが、この図のように、ステンレスに熱伝導のよいアルミを挟み込んだ三層構造になっています。もう少し詳しくご説明しますね。
ステンレスのいいところは、錆びにくく、汚れがつきにくく、丈夫で保温性が高いことです。でも、保温性がいいということは言い換えれば、熱の伝わり方が悪いということ。ステンレス単層の鍋ですと、熱のムラができやすいのです。
ステンレスとアルミの三層構造にすると、ステンレスの丈夫さと保温性、アルミの熱の伝わりやすさ、それぞれの良さを兼ね備えた鍋になるというわけです。ガスでもIHでも使えます。さっと作りたい味噌汁や煮物から、煮豆やシチューのように長い間煮込むものまでマルチに使えます。
今日は、新玉ねぎを使って蒸し鶏を作ってみました。水をほとんど使わないのですが、熱ムラの少ない鍋を使って、とろ火で煮ると野菜も肉もふっくらと仕上がります。作り方はとても簡単です。
材料:新玉ねぎ1個 メークィン2〜3個 ニンジン1本 鶏もも肉1枚(2〜3人分)
鶏肉は軽く塩コショウ。鍋に油小1/2を十分に熱し、皮目から両面こんがり焼く(中火)
いったん肉を取り出し、一口大に切った野菜を炒め、焦げ付いてきたら水を大2ほど加える。塩小1弱、コショウ少々加え(味は好みで)、肉を一番上に置いて蓋をし、15分程蒸し煮にする。(とろ火)
野菜が柔らかくなったら、鍋底からヘラでそっと返し、味を全体になじませ、火を止めて5分ほど蒸らす。
鍋の蓋のつまみや取手も、熱くなりにくいので扱いやすいです。
新玉ねぎの甘味がやさしい一品ができました。
洗いやすさも大切な鍋の機能です。まず、重くないこと。そして、内側も外側も、すっきりしていますのでとても洗いやすいです。鍋の表面はヘアライン仕上げですが、この方が、ピカピカしているよりお手入れが簡単です。
ブランドの鍋が何かと話題になる昨今ですが、無印の鍋のその何気ないデザインは、あくまでも使い手に添った、知恵の積み重ねから生まれたものなのです。
仕事柄いろいろな鍋を使い比べていますが、その思いを強くしているこの頃です。
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