アウトドア教室インストラクターレポート

「ピザ窯作りレポート」

日時:2000年6月12日(月)〜6月20日(火)
場所:無印良品南乗鞍キャンプ場

 6月下旬、以前、窯作りを指導していただいた地球デザインスクールの方々のご協力により、ついにキャンプ場スタッフの手によって、ピザ窯を完成させることができました。完成までの苦労を、体験レポートにまとめました。


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「小屋造り」
 まずは南乗鞍キャンプ場の中水支配人を中心に、小屋造りから始めました。窯全体を乾燥させた土で覆うため、雨などで濡れてはまずいからです。スタッフのほとんどが、建物を建てるのには不慣れ。それでも支配人の的確な指示で、基礎を作り、柱を建て、さらに天候に恵まれたことも幸いして作業が順調に進み、小屋の骨組が完成しました。

屋根造りには、隙間なく作るコケラブキという方法を採用。廃材になりかけていた素材を再利用し、時折、山を眺めながらの軽快な作業。すべて人力で小屋が完成して、なんだか自慢したい気分になりました。あらためて、御嶽を背景にみごとな小屋の完成を眺めて、みんなの顔も喜びでいっぱいでした。


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「窯造り」

 小屋造りが無事完成した頃、京都府が主催し、自然共生型公園を研究している地球デザインスクールの方々が応援に来てくれました。さっそく窯に必要な石と土をキャンプ場周辺から採取することに。予定している窯の高さは1.8m程もあり、比較的大きな石が多量に必要です。そこで長さ60cm程の石を何度もトラックで運搬することになりました。中には大人が二人がかりでないと運べないような石もあり、見た目以上の重さにびっくり。その後、採取してきた大小の石を円状に建て、その中に小石や土を入れて台座を造り、順調に石を積み上げました。

二つの窯とも全体の石組が終わったところで、今度は採取した粘土質の土で、窯を覆う作業に移りました。ここでの自慢は、高根村が力を入れている溶岩プレートです。この窯用に特別注文したもので、厚さ70cm、直径120cmの巨大プレートを2枚使用しています。

土に混ぜる水分の量が多くなることもあり、窯に泥状の土を勢いよく塗っていると、顔に泥がはね返り、だれもが泥んこになりながら、楽しく土塗りを続け、二つの窯ともそれぞれ個性あるものに仕上がりました。


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「ピザ試食」

 窯の乾燥を終えた翌朝、さっそくピザの試し焼きを行なうことに。窯が本格的ならば、ピザも本格的にと、生地を薄いクリスピーにし、ピザソースととろけるチーズをいっぱいのせ、乾燥バジルを振り掛けました。 窯で焼き始めること2分、チーズがとろけた美味しそうなピザが焼きあがりました。とてもシンプルで、食べごたえのあるピザ。その味のなんと素晴らしいこと。 本格的な味を口にした瞬間、だれもが満面の笑顔を見せ、ついに窯が完成したのだ!と実感しました。  

翌日、今年アウトドア教室で新設されたピザ教室の講師、トム・スタインマン先生も遊びに見え、自家製のピザを焼いたりなどして、窯の完成を喜び合いました。京都府地球デザインスクールの皆さんや宮津市役所の皆さんの力強いご協力のおかげで、約10日間、延べ200人を超える人たちの力で目的通りの窯を造ることができました。キャンパーの方々に、アウトドアならではの楽しい時間を過ごしていただくことを、スタッフ一同イメージしながら造りました。窯は、利用時間を設け、その時間内なら自由にご利用いただけるようにしています。皆さんに仲良く活用していただけたら、これ以上の喜びはありません。この夏は、南乗鞍キャンプ場で、ぜひ美味しい体験を! 今年の夏、そよ風とともに美味しい香りが届きます。

レポート/津南キャンプ場・教室担当 小林太一

 


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